「古代の戦士ウルトラマンビクトリー。私と共に戦った頼もしい仲間だ。そして宇宙警備隊の若き戦士ウルトラマンメビウス。彼にも共に戦ったパートナーがいた事を知っているだろうか。
その名はウルトラマンヒカリ。他のウルトラマンと同様に地球を愛したヒカリだが、彼と地球人の出会いは決して順風満帆とはいかなかった。
今日はそんなヒカリがどうやって地球人との絆を深めていったのかメビウスと一緒に観てみよう」
「シェアッ!」
突如現れ、破壊の限りを尽くすハンターナイトツルギ。出動したGUYSだが。
「どうしてツルギが!?」
「違います!! あれが本物のツルギの筈はありません! かつてツルギは鎧を身に纏い復讐の為だけに戦っていました。だけど、心を取り戻してウルトラマンヒカリになったじゃないですか!」
「ミライ、奴と話せるか?」
「やってみます」変身するミライ。
ツルギの右腕にナイトブレスがある事に気づくメビウス。何故ならナイトブレスはヒカリが地球を去る際にメビウスに託されているからだ。
「お前は何者だ!? 答えろ!!」
問答無用でメビウスに攻撃するツルギ。
メビウスに止めを刺そうとするツルギ。
「やめろォォォーー!!」
リュウの援護攻撃を躱し、ツルギは退却した。
「ツルギは依然消息不明のままです」
「あれはツルギじゃありません!! ツルギが・・・いえヒカリが人間を裏切る筈ないじゃないですか!! それにあいつの腕にはナイトブレスがあった。あれは彼に姿を変えた別の何かです!」
「別の何か?」「例えば彼を陥れようとする何者かの仕業・・・とか」
「はい。ヒカリだけじゃありません、僕らウルトラマンの信頼を失わせようとする何者かの悪意を感じるんです」
「何の為にそんな事を?」
「目的なんかどうだっていい。セリザワ隊長をコケにするような奴は・・・」
「僕だって許しません!! 絶対に!」
GUYSジャパンはツルギを地球を脅かす侵略者として掃討すると発表し、今や世間ではツルギ=青いウルトラマンは悪の対象とされてしまっていた。
「ま、無理もねえのかもな」
「リュウさん、どういう意味ですか?」
「だってよ・・・ヒカリはツルギだった頃、周りの犠牲も顧みずにボガールを抹殺しようとしただろう」
「人々の間にまだその時の恐怖が残っているって事ですか」
「そんなぁ・・・( •́ㅿ•̀ ) ヒカリはあたし達と一緒に戦ってくれたじゃないですか」
「理由は他にもあると思うんです。今まで沢山のウルトラマンが地球を訪れ、人間の為に戦ってくれました。だけど青いウルトラマンは初めてなんです。だから市民の間ではヒカリがウルトラマンだって事自体、充分認知されてないと思 」
「だけど、彼も僕と同じウルトラマンなんです!」
その夜、ヒカリはある宇宙人を追って地球にやって来ていた。
「追い詰めたぞ、ババルウ星人!!」
「ヘヘヘヘヘ・・・へハハハハハハ! 愚かな奴め、追い詰められたのは貴様の方だ!!」
「何ぃ!?」
「へハハハハハハハハ、地球での貴様の信頼は失われた。最早この星に貴様の居場所はない!!」
ツルギの姿に変わるババルウ星人。今まで暴れていたツルギはババルウ星人の変身だったのだ。
「この星では貴様の好きにはさせないぞ!!」
「それは俺の台詞だ!!」
ババルウ星人が化けたツルギに苦戦するヒカリ。
「あっ、今度はツルギじゃない!」
「ヒカリの・・・偽物!?」「いや、偽物じゃない」
「あれはウルトラマンヒカリです!」
ヒカリが反撃しようとする所で退却するババルウ星人=ツルギ。
だがババルウ星人の策略で青いウルトラマンは侵略者と刷り込まれた市民はヒカリを見るなり一目散に逃げ出すのだった。
やるせない思いを抱えながらセリザワの姿に戻るヒカリ。
そこへミライとリュウが駆けつけた。
「セリザワ・・・隊長!」
「お帰り、セリザワ君。いや・・・ウルトラマンヒカリ」
「君達は俺を信じてくれるのか?」
「当然です」「あなたが人間を裏切る筈がない」
「ミライ君がそう言うんだもん。ね♪」
「おんなじウルトラマンに言われちゃあね」
「ウルトラマンは俺達のアミーゴ、仲間だ」
「メビウス、君は仲間に正体を知られながら・・・」
「共に戦っているんです。GUYSの仲間として」
「話してくれないか。敵の正体について」
セリザワは全ての元凶がババルウ星人の仕業である事を話す。かつてババルウ星人はレオの弟アストラに化けてウルトラキーを盗み、レオやウルトラ兄弟を欺いている。
「地球へ向かう途中、俺は奴と一戦交え深手を負わせた。そのせいで奴は俺を目の敵にしている」
「それで今度はツルギに化けて、人々の信頼を・・・」
「卑怯な野郎だ!!」「どうしたら信頼を取り戻す事ができるんでしょう」
「決まってンじゃねえか。今度偽物が現れたら本物が倒しゃいいんだ。ですよね、セリザワ隊長」
「あ? き、き、君はセリザワ君!?」
「帰って来られたんですね! よくご無事で」
「いやぁしかし、こんな長い間一体何処へ!?」
トリヤマ補佐官に自分がウルトラマンヒカリである事を明かすセリザワ。
「ヒカリ・・・」「隠す事はない。後ろめたい事は何もないのだから」
総本部の要請により身柄を拘束され、監視下に置かれるセリザワ。
「ヘヘヘヘヘ・・・哀れだなウルトラマンヒカリ。貴様の信じた人間達に裏切られる気分はどうだ? 人間は所詮相手を外見で判断する弱く愚かな生き物に過ぎん」
「それは違う。お前もいずれ思い知る筈だ。人間の内に秘められた強さを」
「負け惜しみか? ヘアハハハハハハハハハハ、へハハハハハハ・・・!!」
セリザワの処遇に納得できないミライ達。
「これは総本部の決定なんだ」
「もしかして総本部はセリザワさんが変身するのを恐れてるんじゃないでしょうか」
「つまりヒカリが現れれば・・・」
「益々市民の不安を煽ってしまうって事?」
セリザワとの面会を懇願するミライ。
「このままじゃ彼の疑いは永遠に晴れません!! お願いします!!」
そんなミライを制するリュウ。
「ミライ、いい加減にしろ」
「僕はババルウ星人が憎い。絶対に許せないんです! ヒカリは心を取り戻したのに、地球の人々を愛しているのに! その心を・・・奴は踏み躙った!」
「お前さ、柄にも無く1人で熱くなるなよ」
「セリザワさんがあんな目にあってリュウさんは何とも思わないんですか!?」
「そりゃあ俺だって悔しいって。・・・悔しいに決まってんだろ! けどよ、セリザワ隊長にだってきっと考えがあるんだ。それに総本部がどう思おうと気にする事はねえ。この俺が誰よりもセリザワ隊長を信じてるし、この思いは宇宙の誰にも負けねえ」
「ヒカリ、力になれなくてすみません」
「いや、俺が過去に犯した罪は容易く清算できるものではない。これは自業自得なのだ」
「でも僕がここまで戦ってこれたのはあなたのお陰でもあるんです! これ(ナイトブレス)はお返しします。また一緒に戦いましょう!」
「気持ちは嬉しいが、俺は自力でここを出るつもりはない。今逃げ出せば余計信頼を失うだけだ」
「だけど!!」「それにこれは俺1人の問題ではない。これから先の未来、俺と同じ青い身体の同胞達が地球を訪れ人々の為に戦う日が来るかも知れない。
しかし彼らがその青さ故に人間達の信頼を得られずウルトラマンと認められないとしたら、それは俺の責任だ。彼らの為に俺は必ず人々の信頼を勝ち取ってみせる!」
「ヒカリ・・・」
「君に出来た事が俺に出来ない筈はない。俺も君と同じウルトラマンなのだから」
再び町を破壊し、蹂躙するツルギ。
セリザワの解放を要求するリュウ。
「そこにいるのはツルギなんかじゃない。ウルトラマンでもねえ! CREW GUYSジャパンの・・・リーダーだった男だ。俺の憧れの・・・隊長なんだよ!!
頼む・・・セリザワ隊長にもう一度戦わせてくれ!」
ミサキ総監代行が監禁室のロックを解除する。
「ツルギの偽物が現れたわ、総本部の思惑通り。セリザワ前隊長の潔白は証明されました」
「じゃあ、やっぱりそれが目的で」
「当然よ。総監も私も最初から信じてた」
「ミサキさん・・・」「早く行きなさい。皆が待ってるわ」
「隊長!」
「また一緒に飛べる日が来るなんて・・・俺嬉しくて」
「済まない・・・今の俺はかつてのセリザワではない。ウルトラマンでもあるんだ」
「いきなり何言い出すんですか!?」
「ツルギの罪は計り知れない。しかし彼の中には地球の人々を思いやる優しさがある。俺は何としても罪を拭い去り、証明しなくてはならない。彼が愛した人間達にウルトラマンである事を」
「何故貴様が自由の身に!?Σ(°Д°;)」
「行ってください。行って証明してください、自分がウルトラマンだって。俺が知ってるセリザワ隊長はそう簡単にくたばりません!」
「リュウ!」リュウの気持ちに応え、ヒカリに変身するセリザワ。
激突する2体の青いウルトラマン。
「おい、見ろ!」「青いウルトラマンが二人!?」
偽ツルギのナイトシュートを躱すヒカリ。
偽ツルギは市民にまで攻撃を仕掛けようとする。その魔手から身を呈して守るヒカリ。
「俺達を守ってくれたのか・・・」
「立ってくれ、セリザワ隊長!! アンタはウルトラマンなんだ!!」
リュウの声援で立ち上がるヒカリ。ナイトブレードから発する光線で正体を晒け出されるババルウ星人。
ヒカリVSババルウ星人の決戦が始まる。
ババルウ星人の至近距離からの攻撃を喰らったヒカリに加勢する為、メビウスに変身しようとするミライだが・・・。
「待て!! この戦いは俺が決着をつける!」
「けど、君1人では!!」
「俺はもう、1人ではない!!」
ヒカリは手を翳し、自らアーブギアを纏った。
「自分の意思で・・・鎧を纏いやがった!」
「新しい・・・ツルギ」
ババルウ星人の攻撃も新たなアーブギアの前では諸共しない。
「この星では貴様の好きにはさせない!!」
最後の悪足掻きも意味は無く、本家本元のナイトシュートを喰らい敗れ去るババルウ星人。
こうしてヒカリは見事地球人の信頼を勝ち取る事に成功した。
「折角仲間になれたのに、また行っちゃうんですか?」
「地球に危機が迫っている。ババルウ星人もその尖兵だろう。俺はその調査に向かう事にした」
「頼みます。ウルトラマンヒカリ」
「君達には心から感謝している」
「また戻って来てくれるんだろう」
「ああ。地球は俺にとって掛け替えのない星だからな。ありがとうリュウ」
「セリザワ隊長・・・」「君のお陰で俺はウルトラマンになれた。それじゃ」
「アディオス、アミーゴ!」
「さよならぁ」「またねー」
「お達者でー」
「メビウスはヒカリを信じ、そしてヒカリは地球人を信じた。それは簡単な事ではない。しかし決して不可能な事ではないとも二人は示してくれたのだ。信じ合う仲間の絆、そしてその絆を私も受け継いでいく。
1人では敵わない強大な敵にも仲間と一緒なら立ち向かえる。この先の戦いでメビウスもそれを証明してくれる筈だ。
真の平和が訪れるその日まで力を貸してくれ、メビウス」
「ダアァ!!」
「地球人に秘められた力、それは時にウルトラマンをも救う事がある。若き戦士ゼロもその命の力を目の当たりにする時が来た。
次回新ウルトラマン列伝『命を守れ 勇者ウルトラマンゼロ!』」
その名はウルトラマンヒカリ。他のウルトラマンと同様に地球を愛したヒカリだが、彼と地球人の出会いは決して順風満帆とはいかなかった。
今日はそんなヒカリがどうやって地球人との絆を深めていったのかメビウスと一緒に観てみよう」
「シェアッ!」
突如現れ、破壊の限りを尽くすハンターナイトツルギ。出動したGUYSだが。
「どうしてツルギが!?」
「違います!! あれが本物のツルギの筈はありません! かつてツルギは鎧を身に纏い復讐の為だけに戦っていました。だけど、心を取り戻してウルトラマンヒカリになったじゃないですか!」
「ミライ、奴と話せるか?」
「やってみます」変身するミライ。
ツルギの右腕にナイトブレスがある事に気づくメビウス。何故ならナイトブレスはヒカリが地球を去る際にメビウスに託されているからだ。
「お前は何者だ!? 答えろ!!」
問答無用でメビウスに攻撃するツルギ。
メビウスに止めを刺そうとするツルギ。
「やめろォォォーー!!」
リュウの援護攻撃を躱し、ツルギは退却した。
「ツルギは依然消息不明のままです」
「あれはツルギじゃありません!! ツルギが・・・いえヒカリが人間を裏切る筈ないじゃないですか!! それにあいつの腕にはナイトブレスがあった。あれは彼に姿を変えた別の何かです!」
「別の何か?」「例えば彼を陥れようとする何者かの仕業・・・とか」
「はい。ヒカリだけじゃありません、僕らウルトラマンの信頼を失わせようとする何者かの悪意を感じるんです」
「何の為にそんな事を?」
「目的なんかどうだっていい。セリザワ隊長をコケにするような奴は・・・」
「僕だって許しません!! 絶対に!」
GUYSジャパンはツルギを地球を脅かす侵略者として掃討すると発表し、今や世間ではツルギ=青いウルトラマンは悪の対象とされてしまっていた。
「ま、無理もねえのかもな」
「リュウさん、どういう意味ですか?」
「だってよ・・・ヒカリはツルギだった頃、周りの犠牲も顧みずにボガールを抹殺しようとしただろう」
「人々の間にまだその時の恐怖が残っているって事ですか」
「そんなぁ・・・( •́ㅿ•̀ ) ヒカリはあたし達と一緒に戦ってくれたじゃないですか」
「理由は他にもあると思うんです。今まで沢山のウルトラマンが地球を訪れ、人間の為に戦ってくれました。だけど青いウルトラマンは初めてなんです。だから市民の間ではヒカリがウルトラマンだって事自体、充分認知されてないと思 」
「だけど、彼も僕と同じウルトラマンなんです!」
その夜、ヒカリはある宇宙人を追って地球にやって来ていた。
「追い詰めたぞ、ババルウ星人!!」
「ヘヘヘヘヘ・・・へハハハハハハ! 愚かな奴め、追い詰められたのは貴様の方だ!!」
「何ぃ!?」
「へハハハハハハハハ、地球での貴様の信頼は失われた。最早この星に貴様の居場所はない!!」
ツルギの姿に変わるババルウ星人。今まで暴れていたツルギはババルウ星人の変身だったのだ。
「この星では貴様の好きにはさせないぞ!!」
「それは俺の台詞だ!!」
ババルウ星人が化けたツルギに苦戦するヒカリ。
「あっ、今度はツルギじゃない!」
「ヒカリの・・・偽物!?」「いや、偽物じゃない」
「あれはウルトラマンヒカリです!」
ヒカリが反撃しようとする所で退却するババルウ星人=ツルギ。
だがババルウ星人の策略で青いウルトラマンは侵略者と刷り込まれた市民はヒカリを見るなり一目散に逃げ出すのだった。
やるせない思いを抱えながらセリザワの姿に戻るヒカリ。
そこへミライとリュウが駆けつけた。
「セリザワ・・・隊長!」
「お帰り、セリザワ君。いや・・・ウルトラマンヒカリ」
「君達は俺を信じてくれるのか?」
「当然です」「あなたが人間を裏切る筈がない」
「ミライ君がそう言うんだもん。ね♪」
「おんなじウルトラマンに言われちゃあね」
「ウルトラマンは俺達のアミーゴ、仲間だ」
「メビウス、君は仲間に正体を知られながら・・・」
「共に戦っているんです。GUYSの仲間として」
「話してくれないか。敵の正体について」
セリザワは全ての元凶がババルウ星人の仕業である事を話す。かつてババルウ星人はレオの弟アストラに化けてウルトラキーを盗み、レオやウルトラ兄弟を欺いている。
「地球へ向かう途中、俺は奴と一戦交え深手を負わせた。そのせいで奴は俺を目の敵にしている」
「それで今度はツルギに化けて、人々の信頼を・・・」
「卑怯な野郎だ!!」「どうしたら信頼を取り戻す事ができるんでしょう」
「決まってンじゃねえか。今度偽物が現れたら本物が倒しゃいいんだ。ですよね、セリザワ隊長」
「あ? き、き、君はセリザワ君!?」
「帰って来られたんですね! よくご無事で」
「いやぁしかし、こんな長い間一体何処へ!?」
トリヤマ補佐官に自分がウルトラマンヒカリである事を明かすセリザワ。
「ヒカリ・・・」「隠す事はない。後ろめたい事は何もないのだから」
総本部の要請により身柄を拘束され、監視下に置かれるセリザワ。
「ヘヘヘヘヘ・・・哀れだなウルトラマンヒカリ。貴様の信じた人間達に裏切られる気分はどうだ? 人間は所詮相手を外見で判断する弱く愚かな生き物に過ぎん」
「それは違う。お前もいずれ思い知る筈だ。人間の内に秘められた強さを」
「負け惜しみか? ヘアハハハハハハハハハハ、へハハハハハハ・・・!!」
セリザワの処遇に納得できないミライ達。
「これは総本部の決定なんだ」
「もしかして総本部はセリザワさんが変身するのを恐れてるんじゃないでしょうか」
「つまりヒカリが現れれば・・・」
「益々市民の不安を煽ってしまうって事?」
セリザワとの面会を懇願するミライ。
「このままじゃ彼の疑いは永遠に晴れません!! お願いします!!」
そんなミライを制するリュウ。
「ミライ、いい加減にしろ」
「僕はババルウ星人が憎い。絶対に許せないんです! ヒカリは心を取り戻したのに、地球の人々を愛しているのに! その心を・・・奴は踏み躙った!」
「お前さ、柄にも無く1人で熱くなるなよ」
「セリザワさんがあんな目にあってリュウさんは何とも思わないんですか!?」
「そりゃあ俺だって悔しいって。・・・悔しいに決まってんだろ! けどよ、セリザワ隊長にだってきっと考えがあるんだ。それに総本部がどう思おうと気にする事はねえ。この俺が誰よりもセリザワ隊長を信じてるし、この思いは宇宙の誰にも負けねえ」
「ヒカリ、力になれなくてすみません」
「いや、俺が過去に犯した罪は容易く清算できるものではない。これは自業自得なのだ」
「でも僕がここまで戦ってこれたのはあなたのお陰でもあるんです! これ(ナイトブレス)はお返しします。また一緒に戦いましょう!」
「気持ちは嬉しいが、俺は自力でここを出るつもりはない。今逃げ出せば余計信頼を失うだけだ」
「だけど!!」「それにこれは俺1人の問題ではない。これから先の未来、俺と同じ青い身体の同胞達が地球を訪れ人々の為に戦う日が来るかも知れない。
しかし彼らがその青さ故に人間達の信頼を得られずウルトラマンと認められないとしたら、それは俺の責任だ。彼らの為に俺は必ず人々の信頼を勝ち取ってみせる!」
「ヒカリ・・・」
「君に出来た事が俺に出来ない筈はない。俺も君と同じウルトラマンなのだから」
再び町を破壊し、蹂躙するツルギ。
セリザワの解放を要求するリュウ。
「そこにいるのはツルギなんかじゃない。ウルトラマンでもねえ! CREW GUYSジャパンの・・・リーダーだった男だ。俺の憧れの・・・隊長なんだよ!!
頼む・・・セリザワ隊長にもう一度戦わせてくれ!」
ミサキ総監代行が監禁室のロックを解除する。
「ツルギの偽物が現れたわ、総本部の思惑通り。セリザワ前隊長の潔白は証明されました」
「じゃあ、やっぱりそれが目的で」
「当然よ。総監も私も最初から信じてた」
「ミサキさん・・・」「早く行きなさい。皆が待ってるわ」
「隊長!」
「また一緒に飛べる日が来るなんて・・・俺嬉しくて」
「済まない・・・今の俺はかつてのセリザワではない。ウルトラマンでもあるんだ」
「いきなり何言い出すんですか!?」
「ツルギの罪は計り知れない。しかし彼の中には地球の人々を思いやる優しさがある。俺は何としても罪を拭い去り、証明しなくてはならない。彼が愛した人間達にウルトラマンである事を」
「何故貴様が自由の身に!?Σ(°Д°;)」
「行ってください。行って証明してください、自分がウルトラマンだって。俺が知ってるセリザワ隊長はそう簡単にくたばりません!」
「リュウ!」リュウの気持ちに応え、ヒカリに変身するセリザワ。
激突する2体の青いウルトラマン。
「おい、見ろ!」「青いウルトラマンが二人!?」
偽ツルギのナイトシュートを躱すヒカリ。
偽ツルギは市民にまで攻撃を仕掛けようとする。その魔手から身を呈して守るヒカリ。
「俺達を守ってくれたのか・・・」
「立ってくれ、セリザワ隊長!! アンタはウルトラマンなんだ!!」
リュウの声援で立ち上がるヒカリ。ナイトブレードから発する光線で正体を晒け出されるババルウ星人。
ヒカリVSババルウ星人の決戦が始まる。
ババルウ星人の至近距離からの攻撃を喰らったヒカリに加勢する為、メビウスに変身しようとするミライだが・・・。
「待て!! この戦いは俺が決着をつける!」
「けど、君1人では!!」
「俺はもう、1人ではない!!」
ヒカリは手を翳し、自らアーブギアを纏った。
「自分の意思で・・・鎧を纏いやがった!」
「新しい・・・ツルギ」
ババルウ星人の攻撃も新たなアーブギアの前では諸共しない。
「この星では貴様の好きにはさせない!!」
最後の悪足掻きも意味は無く、本家本元のナイトシュートを喰らい敗れ去るババルウ星人。
こうしてヒカリは見事地球人の信頼を勝ち取る事に成功した。
「折角仲間になれたのに、また行っちゃうんですか?」
「地球に危機が迫っている。ババルウ星人もその尖兵だろう。俺はその調査に向かう事にした」
「頼みます。ウルトラマンヒカリ」
「君達には心から感謝している」
「また戻って来てくれるんだろう」
「ああ。地球は俺にとって掛け替えのない星だからな。ありがとうリュウ」
「セリザワ隊長・・・」「君のお陰で俺はウルトラマンになれた。それじゃ」
「アディオス、アミーゴ!」
「さよならぁ」「またねー」
「お達者でー」
「メビウスはヒカリを信じ、そしてヒカリは地球人を信じた。それは簡単な事ではない。しかし決して不可能な事ではないとも二人は示してくれたのだ。信じ合う仲間の絆、そしてその絆を私も受け継いでいく。
1人では敵わない強大な敵にも仲間と一緒なら立ち向かえる。この先の戦いでメビウスもそれを証明してくれる筈だ。
真の平和が訪れるその日まで力を貸してくれ、メビウス」
「ダアァ!!」
「地球人に秘められた力、それは時にウルトラマンをも救う事がある。若き戦士ゼロもその命の力を目の当たりにする時が来た。
次回新ウルトラマン列伝『命を守れ 勇者ウルトラマンゼロ!』」