彼はかつてハヤタという人間と一体化し、地球の平和を守る為に戦っていた。
今日はそんなハヤタとウルトラマンの最初の出会いの物語をみんなに紹介するぞ」
「ハヤタより本部へ！」
「はい、こちら本部。どうかしたの？ そんな声出して」
『龍ヶ森上空に置いて未確認飛行物体を発見！』
「よし、追跡を続行。尚、正体を確認せよ。連絡があり次第直ちに出動する」
『了解！』
「ハヤタからの連絡は今後記録するように」
「はい」
『青い光を放って飛んでます。スピードはマッハ２。更に接近して正体を見届けます』
青い球体は龍ヶ森の湖の中に入っていった。その様子を目撃するキャンパー達。
青い球体を追跡中、ハヤタのビートルは赤い球体と接触、墜落してしまう。
『こちら埼玉県警の警ら隊。緊急通報です。只今より15分前、龍ヶ森に怪光を発する青い球と赤い球が次々に飛来し…』
「怪光!?」「怪しい光です。そいつがピカピカ光りながら青い球が湖に落下。赤い球はたまたま上空を通過中の飛行物体と衝突し、龍ヶ森に落下しました」
「おい、ジェット機らしいものが落ちて燃えてるぞ！」
「ジェット機!?」「向こうだ！」
『キャンパー達が目撃しています』
「フジ君、ハヤタを呼ぶんだ！」
「はい！」「彼でなければいいんだが…」
「本部よりハヤタへ！本郷よりハヤタへ！ ハヤタ隊員、応答せよ！ ハヤタ隊員、応答せよ！」
だがフジ隊員の呼び掛けにハヤタからの応答は一向になかった。
ハヤタの身を案じたムラマツは出動命令を降す。
「出動準備！ 行くぞ！」
ビートルの墜落現場に駆けつけた警官とキャンパー達は倒れているハヤタを見つけるが…。
「おい誰だ？ そこにいるのは。君は一体何者だ？」
「M78星雲ノ宇宙人ダ」
「M78星雲の宇宙人？」
「ソウダ。遠イ宇宙カラベムラーヲ宇宙ノ墓場二運ブ途中、ベムラー二逃ゲ出サレテソレヲ追ッテ地球二来タ」
「ベムラー？」「宇宙ノ平和ヲ乱ス悪魔ノ様ナ怪獣ダ。申シ訳ナイ事ヲシタ、ハヤタ隊員。ソノ代ワリ私ノ命ヲ君二アゲヨウ」
「君の命を？ 君はどうなるんだ？」
「君ト一心同体二ナルノダ。ソシテ地球の平和ノ為二働キタイ」
「これは何だ？」「ベーターカプセル」
「ベーターカプセル？」「困ッタ時二コレヲ使ウノダ。ソウスルト…」
「そうするとどうなる？」
「フッフッフッフッ心配スル事ハナイ…」
いや、そんな言い回しだと余計に心配するわw
「どうしたんですお巡りさん、早く降ろさないと」
突然爆発する赤い球体。
「今の爆発はなんだ？ おっ！」
「ああ、あっちですね」
現着した科特隊は赤い球体の爆発に驚いて倒れた警官とキャンパー達を発見する。
「一体何が起こったんだ!?」
「やっぱりハヤタのビートルだ！」
「しかし、ハヤタの死体がないってのは変ですね」
「うん」「僕達見ましたよ！」
「えっ!?」
「見たには見たんですが、怪光を放つ赤い球が現れて…」
「ええ。ホ、ホントなんです。こう…その抱き抱えるようにするとボワァ～って上空へ舞い上がったんです」
「そんなバカな(´^▽^`)」
「いえいえ、そんな…そんなバカな事が起こったんですよ」
「それで？」「それで…暫くして赤い球が爆発を起こしたんです」
「我々の常識ではとても考えられん事だ。あれはきっと宇宙人か何かの仕業だね」
「キャップ、ハヤタを探してみましょう。きっと生きているかも知れませんよ」
「よし。皆さん協力してください」
地元の警官とキャンパー達も協力してハヤタの捜索に当たったが、一晩かけてもハヤタの行方は見つからなかった。
「ムラマツだ」
「まだ発見できませんか？」
『残念ながらその通りだ。あと１時間したら一先本部に帰る』
「キャップ、お願いします。星野君も来て心配してるんです」
「ハヤタさんは死んでなんかいないよね!? 絶対に死なないよね！」
「星野君、君の言う通りだ。ハヤタの様な立派な男を神様が見捨てたりはしない。安心して待ってるんだ」
「皆さん、ここは危険です！ 退避してください！ 急いでください！」
青い球体の正体であり、あの銀色の宇宙人が追っていたという怪獣ベムラーが現れた。
応戦する科特隊だがベムラーは再び湖底に引っ込んだ。
「はいこちら科学特捜隊本部」
『元気かね？ アキコ隊員(^▽°)ゝ』
「ハヤタ隊員！(°▽°) 一体何処にいるの？ あなたの事をみんなが探してるのよ！」
『そんな事はどうでもいい。それより特殊潜航艇S-16号を龍ヶ森のYマークの地点まで運んで欲しいんだよ』
「Yマークの地点ね。分かったわ」
「こりゃあ変ですね」
「寝ちまったんじゃねえのかな？」
「よっぽどこの湖が気に入ったらしい」
そこへS-16号を運んで来たビートルがやって来た。
「こちらムラマツ、特殊潜航艇の出動を要請した覚えはないぞ」
「ハヤタ!?」「アキコ隊員、幽霊だよそれは」
「いいえ、正真正銘のハヤタ隊員だったわ。着水します」
「そんな所にS-16号を置いてどうするんだ？」
「ハヤタ隊員からYマークの地点に置くように連絡があったんです」
「キャップ、ハヤタです」
「ムラマツよりハヤタへ、ムラマツよりハヤタへ、今まで一体何処にいたのか!? 我々は昨夜から探していたんだぞ！」
『大切なビートルを壊して申し訳ありません』
「昨夜は一体何が起こったのか!? ビートルからどうやって助かったのか!?」
「彼が助けてくれたんですよ」
『彼!? 彼って誰だ!?』
「キャップ、そんな事よりまずベムラーをやっつける方が先です」
「ベムラー？ 何だそのベムラーって？」
『湖底に眠ってる怪獣です。油断すると酷い目にあいますよ。S-16号で湖底に潜り、宇宙の長旅で疲れてる奴に寝首を掻きます。飛び出した所をビートルで頭上からやっつけてください」
『よぉし分かった。フジ隊員、ボヤボヤしないで我々の側にビートルを着陸させろ』
「了解了解」
「ハヤタよりビートルへ、ベムラー発見！」
「ウルトラ作戦第一号、攻撃開始！」
「ベムラーだ！」「撃て！」
湖底と空からベムラーを攻撃する科特隊。
もう一発お見舞いしようと接近したハヤタのS-16号がベムラーに捕まってしまう。
「はぁあっ！」「キャップ早く！ ハヤタ隊員が危ないわ！」
「よし、背後から攻撃しろ！」
「了解！」
ビートルの攻撃でベムラーからS-16号を引き離す事に成功したが、ベムラーの矛先はビートルからS-16号に向けられた。
「くそぉ」
ハヤタはベータカプセルを翳し、遂に変身を果たす。
M78星雲の宇宙人からその命を託されたハヤタ隊員はベータカプセルで宇宙人に変身した。マッハ５のスピードで空を飛び、強力なエネルギーであらゆる敵を粉砕する不死身の男となったのだ。
それ行け、我らのヒーロー！
「そこだ！そこんとこ、バンバンガンガン！٩(>▽<)ง」
ベムラーは宇宙人を湖に誘い、得意の水中戦に持ち込ませる。
宇宙人は湖から脱出し、湖に逃げ込もうとするベムラーを追い詰めるが、胸のランプが点滅し始めた。
「あっあれは何だ!?」
「危険信号でしょう。赤ランプは万国共通ですからね」
「そんな事分かるもんか」
「でも大分慌ててるようですよ。あっ、段々チカチカが早くなってきた！」
「エネルギーが切れるみたいですね」
「やったぁぁああ!! なぁーははは♪」
「キャップゥゥ♪」「ハッ」「ハハハ」
飛び去っていく宇宙人にお礼を言いにビートルから顔を出すイデとフジだが、もう姿は見えなくなっていた。
「あれぇ、変だなぁ？あれぇ？」
「何ぃ!? おぉーい!!」「おぉぉーい！」
「ハヤタァァ━━！」
「ハヤタァァ━━！」
「ハヤタ！」「ハヤタ、大丈夫か？」
「五体ピンピンだよ」
「ハヤタ、君は本当のハヤタなのかい？」
「本当も嘘もない。実物はたった一つだよ。キャップ、ところでベムラーはどうなりました？」
「うん。宇宙人が追っ払ってくれたよ」
「やっぱり彼が出てきましたか。僕もそうじゃないかと思って安心してたんですよ」
「するとあなたを助けてくれたのも…」
「彼だ」「ちょちょちょちょい待ち！ 彼、彼って親しそうに言うけど一体名前は何て言うんだい？」
「名なんかないよ」「よせやい。名無しの権兵衛なんてあるもんか」
「う～んそうだなぁ…あっ、じゃあウルトラマンってのはどうだ？」
「ウルトラマン？」
「そうウルトラマン。どうだ？」
「そ、そりゃあ…う～んウルトラにいいでしょ♪」
「でもウルトラマンどっか行っちゃったんじゃないの？」
「何処も行かないさ。彼は自分の宇宙船が爆発して自分の星へ帰れなくなったんだから」
「うん。君は全く悪運の強い男だよ」
「僕は不死身ですよ。キャップ」
私１人では超えられなかった困難を仲間達
なら乗り越えることができたように、地球の人々との絆は我々ウルトラマンにたくさんの力を与えてくれる。
地球人のみんな、これからも宜しくな(^▽°)」
それは地底文明デロスによる人類への警告だった。地球に住む者同士の争いにマックスの降した決断とは!?
次回新ウルトラマン列伝『マックス最後の戦い！地上壊滅の序曲』」