「私は地球人礼堂ヒカルと共に巨悪と戦っているウルトラマンギンガ。この私やウルトラマンビクトリーのように平和を守る為に戦うウルトラ戦士は他にもたくさんいる。
宇宙警備隊の若き戦士ウルトラマンメビウスもその1人だ。そしてそんなメビウスと共に戦った戦士ウルトラマン80。
今日はメビウスと80、そして彼らを取り巻く地球人達が遭遇した不思議な事件を紹介しよう」
登校拒否の生徒を迎えに来た担任教師のツカモト。今更学校に行っても仕方ないと言う生徒にツカモトは逆立ちをしてみせた。
「こうしてると地球を支えている気分になるんだ。地球を背負って立つ! フフ、先生も登校拒否した事あってな」
「先生も!?」「ああ。その時迎えに来てくれた先生がこうして教えてくれたんだ。そんなに難しい事じゃない。ほんの少し勇気を出せばいい事なんだ」
クラスメイトが笑顔で出迎える。
桜ケ岡中学校。かつてウルトラマン80こと矢的猛が教師として在籍していた学校である。
その頃、円盤生物ロベルガーを追って地球にやって来た80。善戦する80だがロベルガーの猛攻に苦戦を強いられる。
その時、メビウスが加勢に現れた。連携してロベルガーを追い詰め、メビュームシュートとサクシウム光線で撃退した。
80は地球に再びマイナスエネルギーが発生する可能性があるのでその調査をしていた所に円盤生物に出くわしたのだった。
マイナスエネルギーとは人間の心から生まれる負の波動でそれが邪悪な怪獣を呼び寄せる原因でもあった。だがマイナスエネルギーについては未だに研究過程ではっきりした結論は成されていなかった。
「人間の心ほど難しいものはないですもんねぇ」
卒業生の落語とスーパーは桜ケ岡中学校が隣町の学校と統廃合されるのを聞いて母校が失くなってしまう事を憂いていた。
「すいません、あのー部外者の方は立入禁止なんですが」
「部外者なんて言われても俺たちゃ卒業生だよ」
「いや、そうは言っも・・・」「ン?」
「な、何ですか?」「お前、ツカモトじゃねえか?」
「はいそうですが・・・あぁ!お前、落語! あっ、スーパー!?」
一年E組の教室で当時を懐かしむ3人。恩師の矢的先生がいなくなって今はどうしているのか気になっていた。
「矢的先生はウルトラマン80だったんだ」
「あ? ハハハハハハハ」
「お前さぁ、まだそんな事言ってるのかよ」
「笑われたっていい。俺は確信している」
スーパーが学校が壊される前にクラス会を開く事を提案する。
「矢的先生、来てくれるといいな」
そこへ学校を調査していたミライが通り掛かった。
「ミライ、お前のお兄さんの人形を持ってきてやったぞ。あれ、ミライは?」
「ああ、さっき都内でマイナスエネルギーに似た波動が観測されたの」
「とは言ってもホントに微量なんで怪獣なんて呼ぶ力はないって言ったんですけど」
「それだけお兄さんからの忠告が重たいものなんだよ。彼にとって」
ツカモトはミライにかつてUGMの隊員だった矢的猛について尋ねた。
「おい、お前UGMって!?」「先生は教師やりながらUGMの隊員としても働いてたんだよ」
矢的先生が今何処にいるのか知りたがっているツカモトに対し、ミライは答える事はできなかった。
「ウルトラマンとしてだけでなく、教師としても慕われていたんですね。25年も経った今でもまだ・・・。
桜ケ岡中学で最後のクラス会をしようとしています。出席してあげてください。矢的猛先生として」
「それはできない」「どうしてですか!?」
「元々私は地球にはマイナスエネルギーの調査の為に訪れた。そして人間と触れあう内に人間の持つ限りのない可能性を感じた。それはメビウス、君も同じだろ」
「はい」「しかし人間はその可能性を間違った方向にも向けかねない事もわかった。その事によって生まれるのが・・・」
「マイナスエネルギー」「そうだ。そして私は考えたのだ。教育という検地からマイナスエネルギーの発生を抑えられるではないかと。私は勉強を重ね、思春期と言われる不安定な時期の中学生の教師になった。
しかし、マイナスエネルギーの発生を食い止める事はできなかった。私は次々と出現する怪獣に立ち向かう為、教師である事を捨てねばならなかったのだ。遠く離れたとはいえ私の心には常に彼らがいる。
メビウス、君の口から皆に伝えてほしい。矢的猛が謝っていたと」
翌日、新聞に80出現の記事が大きく取り上げられていた。
「ウルトラマン80!? ツカモトの言葉が正しければ」
「矢的先生は地球に来てるかも知れない!」
「ああ!」「先生ー、 明日クラス会なんだ!
桜ケ岡中学で最後のクラス会なんだ!」
「絶対、絶対来てくださぁぁい!」
「俺達やスーパー、ハカセ、ファッションにシンイチもとにかくみんな来るから!」
「みんな会いたがってます! 必ず来てくださぁい!」
「ごめんなさい・・・僕には伝えられません」
桜ケ岡中学からまたマイナスエネルギーが観測された。微量ながらも現れては消えたりしているのだ。
「もしかして、学校が取り壊される事を悲しんでマイナスエネルギーを発生させてるんじゃないですか?」
「そんな無生物がマイナスエネルギーを発生させるなんて考えられませんよ」
「ミライ?」「板挟みって辛いですよね」
ツカモト達に矢的先生が来れない事を伝えるべきかサコミズに相談するミライ。
「出会い、別れ、喜び、悲しみ。人間ってめんどくさい生き物なんだ。でもね、時が来ればそれが思い出というものに変わる」
「思い出?」「そう、その思い出が何もない事が一番人間にとって悲しい事かな」
クラス会当日。ハカセにファッション、シンイチと元クラスメイト達が訪れていた。
「だけど何でわざわざ屋上で?」
「矢的先生にメッセージを贈る為さ」
「えっ、矢的先生いらっしゃるの?」
「まだわからないけどな」
「やはり伝えなくてはならない。80兄さんの言葉を」
校舎から発しているマイナスエネルギーが急激に上昇し、そのマイナスエネルギーにより硫酸怪獣ホーが出現した。
「シンイチィ、お前また!?」
「知らん! 俺は怪獣なんか呼んじゃいない!!」
ミライはメビウスに変身してホーを校舎から遠ざける。
メビウスを援護するガンフェニックスの攻撃はホーの身体を擦り抜けてしまう。
ホーの硫酸の涙がメビウスに降り注ぐ。まるでここに来るべきなのはお前じゃないと訴えているように。
そこへ80が駆けつけた。
「あっ、あれは!」「ウルトラマン」
「80!」「俺達の」「ウルトラマンだ!」
「矢的先生・・・矢的先生ーーー!!」
やっと来てくれたと喜んでいるのか耳をピョコピョコさせるホー。
「マイナスエネルギーによって出現した怪獣ならば、私が倒す!」
自分の役目は終わったと敢えて80のバックルビームを受け消滅するホー。
「先生ーー、先生に憧れて僕は教師になりました!!」
「私は結婚して3人の子供のお母さんでーす!!」
「僕は地元の信用金庫に就職しましたーー!!」
「大学で研究する日々を送ってまーーす!!」
「親父のスーパー継いで頑張ってるぜーー!!」
「みんな、先生には感謝しています! 本当にありがとうございました!」
全員で仰げば尊しを合唱する元一年E組の生徒達。
教え子達の感謝を込めた歌声に見送られながら飛び立つ80。
「教え子達に逆に教えられてしまったな」
「兄さん」「感謝してるのは私の方だ。彼らと共に過ごせた時間は私にとってもかけがえのない思い出だからなぁ」
「さあ、みんなが待っています」
「メビウス、私は自分の言葉で謝ってみるよ。大切な私の生徒達だから」
「きっとあの怪獣は桜ケ岡中学が呼び出したんです」
「コノミが言ってたようにか?」
「はい。でもちょっと違うのは桜ケ岡中学が壊されてしまうから、悲しいからじゃなくて80兄さんの生徒さん達を会わせてあげたくて怪獣を出現させたんです」
「思い出の人・・・というか」
「思い出の・・・ウルトラマンか」
「思い出って本当に大切なものなんですね」
「ウルトラマン80こと矢的猛。彼ほど地球人と絆を深めたウルトラマンはいないかも知れない。
そしてその絆を再び分かち合わせる為に出現したホー。その優しい涙はきっと80に届いた筈だ。
君達地球人との心の繋がりこそ、我々ウルトラマンの力の源なのだ」
「テアァァ!」「エイティ!」
できれば変身シーン観たかったですね。
ビュッ〇(`·_·´)оо(`·_·´)〇ビュッ \(`·о·´)ゝエイティ!! って。
「私ウルトラマンギンガと礼堂ヒカルが出会った新たなウルトラマン、ビクトリー。
そこから始まった冒険の物語をもう一度振り返ってみよう。
次回新ウルトラマン列伝『新たな伝説 輝くビクトリー』」
宇宙警備隊の若き戦士ウルトラマンメビウスもその1人だ。そしてそんなメビウスと共に戦った戦士ウルトラマン80。
今日はメビウスと80、そして彼らを取り巻く地球人達が遭遇した不思議な事件を紹介しよう」
登校拒否の生徒を迎えに来た担任教師のツカモト。今更学校に行っても仕方ないと言う生徒にツカモトは逆立ちをしてみせた。
「こうしてると地球を支えている気分になるんだ。地球を背負って立つ! フフ、先生も登校拒否した事あってな」
「先生も!?」「ああ。その時迎えに来てくれた先生がこうして教えてくれたんだ。そんなに難しい事じゃない。ほんの少し勇気を出せばいい事なんだ」
クラスメイトが笑顔で出迎える。
桜ケ岡中学校。かつてウルトラマン80こと矢的猛が教師として在籍していた学校である。
その頃、円盤生物ロベルガーを追って地球にやって来た80。善戦する80だがロベルガーの猛攻に苦戦を強いられる。
その時、メビウスが加勢に現れた。連携してロベルガーを追い詰め、メビュームシュートとサクシウム光線で撃退した。
80は地球に再びマイナスエネルギーが発生する可能性があるのでその調査をしていた所に円盤生物に出くわしたのだった。
マイナスエネルギーとは人間の心から生まれる負の波動でそれが邪悪な怪獣を呼び寄せる原因でもあった。だがマイナスエネルギーについては未だに研究過程ではっきりした結論は成されていなかった。
「人間の心ほど難しいものはないですもんねぇ」
卒業生の落語とスーパーは桜ケ岡中学校が隣町の学校と統廃合されるのを聞いて母校が失くなってしまう事を憂いていた。
「すいません、あのー部外者の方は立入禁止なんですが」
「部外者なんて言われても俺たちゃ卒業生だよ」
「いや、そうは言っも・・・」「ン?」
「な、何ですか?」「お前、ツカモトじゃねえか?」
「はいそうですが・・・あぁ!お前、落語! あっ、スーパー!?」
一年E組の教室で当時を懐かしむ3人。恩師の矢的先生がいなくなって今はどうしているのか気になっていた。
「矢的先生はウルトラマン80だったんだ」
「あ? ハハハハハハハ」
「お前さぁ、まだそんな事言ってるのかよ」
「笑われたっていい。俺は確信している」
スーパーが学校が壊される前にクラス会を開く事を提案する。
「矢的先生、来てくれるといいな」
そこへ学校を調査していたミライが通り掛かった。
「ミライ、お前のお兄さんの人形を持ってきてやったぞ。あれ、ミライは?」
「ああ、さっき都内でマイナスエネルギーに似た波動が観測されたの」
「とは言ってもホントに微量なんで怪獣なんて呼ぶ力はないって言ったんですけど」
「それだけお兄さんからの忠告が重たいものなんだよ。彼にとって」
ツカモトはミライにかつてUGMの隊員だった矢的猛について尋ねた。
「おい、お前UGMって!?」「先生は教師やりながらUGMの隊員としても働いてたんだよ」
矢的先生が今何処にいるのか知りたがっているツカモトに対し、ミライは答える事はできなかった。
「ウルトラマンとしてだけでなく、教師としても慕われていたんですね。25年も経った今でもまだ・・・。
桜ケ岡中学で最後のクラス会をしようとしています。出席してあげてください。矢的猛先生として」
「それはできない」「どうしてですか!?」
「元々私は地球にはマイナスエネルギーの調査の為に訪れた。そして人間と触れあう内に人間の持つ限りのない可能性を感じた。それはメビウス、君も同じだろ」
「はい」「しかし人間はその可能性を間違った方向にも向けかねない事もわかった。その事によって生まれるのが・・・」
「マイナスエネルギー」「そうだ。そして私は考えたのだ。教育という検地からマイナスエネルギーの発生を抑えられるではないかと。私は勉強を重ね、思春期と言われる不安定な時期の中学生の教師になった。
しかし、マイナスエネルギーの発生を食い止める事はできなかった。私は次々と出現する怪獣に立ち向かう為、教師である事を捨てねばならなかったのだ。遠く離れたとはいえ私の心には常に彼らがいる。
メビウス、君の口から皆に伝えてほしい。矢的猛が謝っていたと」
翌日、新聞に80出現の記事が大きく取り上げられていた。
「ウルトラマン80!? ツカモトの言葉が正しければ」
「矢的先生は地球に来てるかも知れない!」
「ああ!」「先生ー、 明日クラス会なんだ!
桜ケ岡中学で最後のクラス会なんだ!」
「絶対、絶対来てくださぁぁい!」
「俺達やスーパー、ハカセ、ファッションにシンイチもとにかくみんな来るから!」
「みんな会いたがってます! 必ず来てくださぁい!」
「ごめんなさい・・・僕には伝えられません」
桜ケ岡中学からまたマイナスエネルギーが観測された。微量ながらも現れては消えたりしているのだ。
「もしかして、学校が取り壊される事を悲しんでマイナスエネルギーを発生させてるんじゃないですか?」
「そんな無生物がマイナスエネルギーを発生させるなんて考えられませんよ」
「ミライ?」「板挟みって辛いですよね」
ツカモト達に矢的先生が来れない事を伝えるべきかサコミズに相談するミライ。
「出会い、別れ、喜び、悲しみ。人間ってめんどくさい生き物なんだ。でもね、時が来ればそれが思い出というものに変わる」
「思い出?」「そう、その思い出が何もない事が一番人間にとって悲しい事かな」
クラス会当日。ハカセにファッション、シンイチと元クラスメイト達が訪れていた。
「だけど何でわざわざ屋上で?」
「矢的先生にメッセージを贈る為さ」
「えっ、矢的先生いらっしゃるの?」
「まだわからないけどな」
「やはり伝えなくてはならない。80兄さんの言葉を」
校舎から発しているマイナスエネルギーが急激に上昇し、そのマイナスエネルギーにより硫酸怪獣ホーが出現した。
「シンイチィ、お前また!?」
「知らん! 俺は怪獣なんか呼んじゃいない!!」
ミライはメビウスに変身してホーを校舎から遠ざける。
メビウスを援護するガンフェニックスの攻撃はホーの身体を擦り抜けてしまう。
ホーの硫酸の涙がメビウスに降り注ぐ。まるでここに来るべきなのはお前じゃないと訴えているように。
そこへ80が駆けつけた。
「あっ、あれは!」「ウルトラマン」
「80!」「俺達の」「ウルトラマンだ!」
「矢的先生・・・矢的先生ーーー!!」
やっと来てくれたと喜んでいるのか耳をピョコピョコさせるホー。
「マイナスエネルギーによって出現した怪獣ならば、私が倒す!」
自分の役目は終わったと敢えて80のバックルビームを受け消滅するホー。
「先生ーー、先生に憧れて僕は教師になりました!!」
「私は結婚して3人の子供のお母さんでーす!!」
「僕は地元の信用金庫に就職しましたーー!!」
「大学で研究する日々を送ってまーーす!!」
「親父のスーパー継いで頑張ってるぜーー!!」
「みんな、先生には感謝しています! 本当にありがとうございました!」
全員で仰げば尊しを合唱する元一年E組の生徒達。
教え子達の感謝を込めた歌声に見送られながら飛び立つ80。
「教え子達に逆に教えられてしまったな」
「兄さん」「感謝してるのは私の方だ。彼らと共に過ごせた時間は私にとってもかけがえのない思い出だからなぁ」
「さあ、みんなが待っています」
「メビウス、私は自分の言葉で謝ってみるよ。大切な私の生徒達だから」
「きっとあの怪獣は桜ケ岡中学が呼び出したんです」
「コノミが言ってたようにか?」
「はい。でもちょっと違うのは桜ケ岡中学が壊されてしまうから、悲しいからじゃなくて80兄さんの生徒さん達を会わせてあげたくて怪獣を出現させたんです」
「思い出の人・・・というか」
「思い出の・・・ウルトラマンか」
「思い出って本当に大切なものなんですね」
「ウルトラマン80こと矢的猛。彼ほど地球人と絆を深めたウルトラマンはいないかも知れない。
そしてその絆を再び分かち合わせる為に出現したホー。その優しい涙はきっと80に届いた筈だ。
君達地球人との心の繋がりこそ、我々ウルトラマンの力の源なのだ」
「テアァァ!」「エイティ!」
できれば変身シーン観たかったですね。
ビュッ〇(`·_·´)оо(`·_·´)〇ビュッ \(`·о·´)ゝエイティ!! って。
「私ウルトラマンギンガと礼堂ヒカルが出会った新たなウルトラマン、ビクトリー。
そこから始まった冒険の物語をもう一度振り返ってみよう。
次回新ウルトラマン列伝『新たな伝説 輝くビクトリー』」