「もう食べられん…zzz」
「グルマン博士、ちょっと…起きてください。もうブラスターのパーツどうなったんですか?」
「ダメだよ。ファントン星人は食後のお昼寝に入ったら梃子でも起きないんだから」
「ホラホラ」
明日が非番のアスナはこの日の為に奮発して購入した靴を履いてお出かけするのを楽しみにしていた。
その時、緊急の集合がかかる。
エリアT-7B神倉駅周辺にて局地的な地震が頻繁に起きていた。その現地調査に大地とアスナが向かった。
工事中の地下トンネルを調べていると奥から音が聞こえてきた。
「何の音だ? 宇宙の音に似ている。でもあんな風に安らぐ感じじゃないんだ。まるで誰かが啜り泣いてる様な…」
周りの灯りが異常をきたすと目の前に黒いサングラスの女が現れ奇声を発した。
「あれは!?」
それに呼応して背後から怪獣が出現した。
「逃げてっ!!」
「神倉駅前に怪獣出現!! タイプGです!!」
「フェイズ4 都市防衛指令発令!」
「アスナ隊員はジオポルトスで怪獣の移動を食い止めて! ジオマスケッティ出動!」
『大地、怪獣の状態を報告して』
「体長約50メートル。地底怪獣テレスドンと思われます!」
「車まで走るよ!」
「了解! うわっ!!」「アッチ!」
『ジオポルトス、起動します』
「よくも髪焦がしてくれたわね!!」
『ジオポルトス、ジョイン トゥ ジオマスケッティ。ランドマスケッティ、カムオンイン 』
「大地、熱源センサーでフォローして」
「了解!」「銃視変更…怪獣をロックオン! フォトンレールキャノン発射!!・・・えっ、何処行ったの!?」
「後ろだっ!!」
口に咥えたランドマスケッティにそのまま火炎放射を浴びせようとするテレスドン。
「!!! ヤバいっ!!」「テレスドンは夜行性の地底怪獣だ! 急激な光の変化に弱い!」
「照明弾っ!!Σ(°□°)」
「「ウワアァァァアアッ!!」」
『ランドマスケッティ、状況を報告せよ!! 大丈夫!?』
「ま、何とか・・・」「早くどきなさいよっ!・・・逃がしたじゃん」
「この女、何者なんだ?」
「今までにも地下鉄の線路内で何度も目撃情報があったようです」
「まさか…地底女って奴か」
「何だそれ?」「ネットで流行ってる都市伝説だ。地下鉄のホームにいて、見た者を地底に引きずり込んで捕っちまうらしい」
「もうそんなのただの噂話よ」
「一先、この人物と怪獣の関係性を洗い出すのが先決ね。過去十日間のエリアT-7Bの全監視カメラ映像にアクセス。SNSデータも照会して」
「「「了解」」」
『ガオディクションを起動します。テレスドン解析中…』
「感情ベクトルの大部分は怒りを示してるけど…この波長は何だろう?」
「怒りとは違った感情だな」
「そうか!」「成程。ガオディクションは怪獣に使えるだけじゃないのか」
『対象音声、解析完了しました』
「この感情は…悲しみだ。寧ろ悲鳴と言っていい」
「テレスドンの波長と一致するな」
「怪獣はこの声の主と同調しているのか」
「カランコロンコローン♪」
「な、何?」「サイバーエレキングカードの調整、順調だよ♪」
「ありがと」「一晩中遊園地の電力を賄える位、強力にしちゃった。エレキングちゃんが実体化したら一緒にデートしよ~」
「85%の確率で骨相が一致しました」
「名前は間伏涼子。エステサロンの経営者です」
「エステサロン?」「潜入して調べてみる必要がありそうね」
「・・・潜入ですか?」
潜入捜査を利用してあの奮発した靴を履いてオシャレしていこうとするアスナ。
大地とカップルを装って潜入捜査を開始するアスナだか・・・。
「何かあたし達カップルに見えないなぁ」
「で、段取りは?」「まず最初にあたしが女と話す。女が抵抗したら二人で生け捕りにする。銃をパラライザーモードにして」
「分かった」
「綺麗なお花ですね」「でしょう」
「お日さまに当てなくていいんですか?」
「植物にはね、太陽光線の他に闇と冷気が必要なの。今の人間社会には昼も夜もないでしょう。それが生き物のサイクルを乱してるの…」
「…そうなんですか」「世界を偽りの光で被ってはいけない。人間は傲慢だわ…」
「あなたは誰なの? 本物の間伏涼子さんは2ヶ月前に事故で亡くなっている。あなたは何者?」
正体を見破られた女は突然銃を向け撃ってきた。アスナも反撃に出る。
「待てっ!!」逃がしはしないと大地が立ちはだかるが、動きを封じられる。
「もう何やってんの!(`△´)」
「アッハハハハ…アハハハ…アハハハ…!!」
「待ちなさぁい!! 痛っ」
「アスナッ、大丈夫か!?」
「大丈夫じゃないわよ」
女を取り逃した上にお気に入りの靴まで台無しにされ耐え難い屈辱を受けるアスナ。
「敵の潜んでいる可能性のある場所にヒールの高い靴で行くなんて、危機意識の欠如ね」
「申し訳ありません…(´-_-`)」
「警戒態勢はフェイズ2を維持。引き続き逃げた女を追ってくれ」
「了解」
「全く…この忙しい時に一日中三度の食事もゆっくり食べられん ほらお前に頼まれていたパワーアップユニットだ」
「 やったぁ♪ スゲェこれ。グルマンさんスゲェよぉ♪ 隊長!」
「これって…何となくウルトラマンに似てませんか?」
「如何にも。私がウルトラマンエックスの力を解析して作ったものだからな。名付けて、ウルトライザー! やっぱり私は天才だな(^▽^)v」
「無理だと思うけどな。靴には瞬間で何十キロも体重がかかるんだよ」
「何十キロもないわよ 失礼ねぇ」
「彼女の体重は47.5キロ。体脂肪率は25.2。正確に教えてあげた方がいいんじゃないか?」
「しっ、女性の体重の話は面倒臭い事になるんだよ」
「何故だ? 健康管理の為には正確なデータが必要だ」
「何ブツブツ言ってんの?」
「何でもない もっと頑丈な靴にしたら」
「そんなの可愛くないじゃない」
「何でそんなに可愛さにこだわるんだ?」
「あたしね、小さい頃父親に剣道やらされててさ。地区に一番強かったの。でも試合で好きな男の子負かしたの。その子泣いちゃってさぁ、あたしの初恋も終り。ハァあたし何やってんだろって思ったなぁ。
女の子が普通でいられない世界なんて間違ってるよ…だからあたしはオシャレする。可愛い靴だって履いてやるんだ」
「確かにこの星の女性氏は複雑だな┐(-ω-)┌」
「黙ってろ!(;`^Д^´)」
「!! 地震!?」
「現在、エリアT-6Cを中心に直下型地震が発生中!」
「震源が移動しています!」
「…テレスドン」
「震源は隣の神倉町方面へ向かっています」
「各隊員は大至急現場に急行!」
「「了解!!」」
「あそこだ!」再び現れた女は奇声を発して周りの電力を乱れさせる。
「今度こそ逃がさないから!」
「見ろ、この世界を! 毒々しく騒がしい偽りの光だ。人間は我々から夜を奪おうとしている。夜の闇こそ美しい! 夜は我々の物だ!!
行けテレスドン! 地上の全てを破壊し、夜を取り戻すのだ!!」
「アスナ?… アスナ! アスナ、しっかりしろ。アスナ…アスナ」
「大地!! 大地!! こっちもヤバい! 何も見えない!!(>□<)」
「裏返しになってるだけだ」
「頼むよ…精密機械なんだから(´△`;)」
裏返しになっただけでパニクるウルトラマンw
「エックス、ユナイトだ!」
「よし、いくぞ!」
『ウルトラマンエックスとユナイトします』
「エックスゥゥ━━━!!」
『エックス、ユナイテッド』
テレスドンの回転アタックに苦戦を強いられるエックス。
「不味い!」
『ウルトライザーモード起動します』
「いきなり実戦かよ…」
「ビビってんのか?」「は? ヒビってねーよ」
『ウルトラマンの力をチャージします』
「おっほほほォ~♪」『チャージ完了』
「よし…発射っ!!」
「オホホホよっしゃああっ!! オホホホハハ♪ 出せぇぇ!」
ワタル隊員、ハシャギ過ぎw
「そうだ、こっち来い!!」
「ルイ、今だ!」「ガッテンテン♪」
「ウルトラマンエックス、このカードを使ってください!」
「おい、またお前何だそれ!?(°д°;)」
「今度はエレキングカードか!」
「私にだって心の準備が」
「頼むぞ、切り札になってくれ!」
『サイバーエレキング、ロードします』
『サイバーエレキングアーマー、アクティブ』
「どんな感じ?」「まあゴモラアーマーよりスマートだな」
「エレキングだから電撃が使えるよ! 多分」
「いぃやぁあエレちゃん可愛い~」
「肩に頭が付いてるんですけど(°д°;)」
「そこがいいんじゃなぁい(*^o^*)」
「来るぞ、大地!」
電撃をロープ状にして回転してくるテレスドンを拘束し地面に投げつけるエックス。
「ごめんな…ここはお前のいるべき場所じゃないんだ」
「エレキング電撃波!!」
女はテレスドンの爆発と共に光の中に消えた。
「ケガないか?」
「なんとか…」
「何だお前きれい出て大丈夫かよ」
「大丈夫、ありがとう。それよりテレスドンは?」
「エックスが倒したよ」
「じゃあ、あの女は?」
光の中に消えたと思われたあの女がアスナを狙って銃口を向ける。レンズの片方が欠けたサングラスからは目のない不気味な素顔が。
間一髪、ヒールが壊れている靴でバランスを崩し回避するアスナ。ワタルとハヤトが女を撃退するがそこにはテレスドンのスパークドールズとレンズの欠けたサングラスだけがあり女の姿は見当たらなかった。
「大丈夫か!?」「確かに当てたのに…消えやがった」
「結局何者だったんだろう。宇宙人?」
「例の工事現場から五百年前の石碑が見つかったそうです。あそこには何かが封印されていたのかも知れませんね」
「う~ん…案外本物の地底女だったりしてな」
「よせよ。気味悪い」「エッへへ♪」
落ち込むアスナにサプライズを仕掛ける大地・ワタル・ハヤト。今日はアスナの誕生日でもあった。
「「「ハッピバースデーアスナー♪ ハッピバースデーアスナー♪」」」
「全然ハッピーじゃないわよ。副隊長には隊員の自覚が足りないって散々しぼられるしさ…あーあチャッジ作れるかなぁ」
「そう言うな。お陰で命拾いしたんだから」
「はい。これプレゼント」
「えっ…何これ!?」
「チームでカンパして買ったんだ」
「選んだのは副隊長だよ」
「お誕生日おめでとう」
先程説教していた副隊長が自分の為に選び、新しい靴をプレゼントしてくれた大地達の誠意に嬉しさが溢れるアスナ。
「ありがとう」
ここでエックスのデリカシーのない一言
w
「…それで彼女はいくつになったんだ?Б(°△°)」
「聞いちゃダメ!(;`^□^´)」
「「大地の怪獣ラボ」」
「今回の怪獣はこれだ!」
『テレスドン解析中』
「地底怪獣テレスドン。熔岩熱線を吐いて暴れるぞ。ドリルのように回転しての攻撃も侮れない」
「そしてこのカードはサイバーエレキング」
「エレキングアーマーを装着すれば電撃を自在に操れるんだ」
「必殺技はエレキング電撃波だ。どうだカッコいいだろ(°▽^)b」
「次回も」「「観てくれよな!」」
「エックスが食べられたぁ!? 宇宙大怪獣ベムスターの何でも吸い込む腹に俺もエックスも大ピンチだ!
頼みますワタルさん、ハヤトさん。スペースマスケッティの力を見せてください!
次回ウルトラマンX『オール・フォー・ワン』」