浮かれ気分で行きつけの喫茶店へ足を運ぶワタル。そこには幼馴染みの菜々子がバイトで働いている。
「いらっしゃい」「…おう」
菜々子に惚れているワタルは非番の時は彼女に会う為に必ず通っているのだ。
「はい、水」「コーヒー、ホット」
「マスター、コーヒー1つ」「はい」
「ねえ、好き?」「えっ…?(*°ロ°*)」
「お稲荷さん」「えっ!?(°△°;)」
「ワタル君、小学校の頃好きだったでしょ。まだ好き?」
「おう…」「ウフッ良かったぁ。明日の試合に作ってくからね♪ ワタル君…ありがとね、ここのバイト紹介してくれて」
「おっほほほ…へへへっ」
自分の為にランチを作ってくれる…嬉しくて幸せ気分に浸っているそんな時、彼が現れた。
カランカラン「いらっしゃい」
「おっ、いたいた」「ハァアアア」
「アスナからここにいるって聞いてさ」
突然のハヤトの来訪に二人だけの大切な時間を邪魔されて不機嫌なワタル。
「あれ、新しい子?」
「菜々子、俺の幼馴染み。これハヤトね」
「初めまして。キャアッ!!」
「おおっ、おほほほっ!!」
「ごめんなさい」「菜ー々ー子ぉ」
「すいません」「やるよ」
「洋服濡れなかったですか?」
「ん、大丈夫」
「ほんとにすいません…ごめんなさい」
ハヤトの優しさに菜々子が微かに惹かれていくのをワタルは見逃さなかった。
そしてラグビーの試合当日。菜々子の前で自分のカッコいい姿を見せつけようと張り切るワタル。
「頑張ってー」
見事なプレーを披露するワタルだが。
「イエーイッ!」
俺の活躍見てくれた?と菜々子にアピールするもまたしてもハヤトに邪魔されてしまう。
多分菜々子さんが誘ったんですねw
「何だよぉ…チッ」
トライを決めても試合そっちのけでにハヤトにワタルの為に作った(筈の)お稲荷さんを振舞っている始末。
そんな二人のやりとりが面白くないワタル。
「恋は人を惑わせる」
ハヤトと菜々子のイチャつきっぷりが気になって試合に集中できないワタル
「そう、恋は人を惑わせる。ン?」
その時、空から未確認の猫型怪獣が飛来した。
「怪獣だ!」
試合を中断し、逃げ惑う選手達。ワタルは基地に連絡しようとジオデバイザーを取り出すが…。
「あれ、デバイザーが使えない!?」
「すいません。遅れました」
「すいませんデバイザーが…」
「電磁波に邪魔されて予備電源の切り替えにも支障が出てるの」
「タイプA、怪獣の映像出します。Σ(°Д°;)!! すいません」
「もう、電気系統おかしいよぉ…あっ直った。フフ…あ、もうムーちゃんの電磁波ハンパじゃなくって」
「ムーちゃん!?」
「うん。自分で『ムー』って。あっついた!」
「よし、モニターOK」
「はっ、デバイザーも。やったぁ♪」
「うっ!(>д⊙;)」
「エリアT-1です」「ジオマスケッティはまだ使えないのか?」
『すいません まだです!』
「了解。ハヤトはアトス、ワタルはアラミスで出動。ポルトスで出動した大地とアスナに合流、三方から取り囲んで動きを封じるんだ」
「「了解!」」
「おいおいおい、どうしちゃってんだよ全くよぉ! 遅いぞXio来んのよぉ!ヽ(`Д´)」
「あれ?」『ワタル、それは電磁波の影響だ』
ムーは特に何もせず何処かへ去っていった。
「あ? 何だアイツ」
いつものように喫茶店へ向かうワタル。
中を見てみるとなんとハヤトと菜々子が親しげに会話しているという衝撃な光景を目の当たりにする。
ワタルに気づき手を振る菜々子。
あまりのショックで意味不明なパフォーマンスを披露するワタル。
「何だアイツ?」「あんな人だったっけ? ワタル君」
「ぐぅうううぅぅ」
「ムーちゃんの来た目的が分かっちゃったかも」
「この間のデータを見たんですけど、ムーちゃんがいる時ダークサンダーエナジーの発生が2.16倍増えてるんスよ」
「ムーがダークサンダーエナジーを操ったって事?」
「ムーちゃん!」「ムーにそんな力があるの?」
「ムーちゃん…」「操ってっていうより引き寄せちゃってる可能性っスかね。強烈っスよ、ムーちゃんの発してる電磁波」
「その力を利用してスパークドールズを実体化しようと企んでいる黒幕がいるのかも知れないな」
「そろそろ作戦会議は終了したらどうだ? 電磁波が増え始めているぞ」
「またムーが来るのか!?」
「「「「ムーちゃん!」」」」
「ムーちゃん…」
「ワタル、ハヤト、スカイマスケッティで偵察! 大地とアスナは警戒体制を強化させろ!」
「「「「了解!…」」」」
「何だよそれ?」「菜々子ちゃんがくれたんだ」
「えっ、いつぅ!?Σ(°Д°;) いつの間にそんな仲になってんだよぉ」
「この間」「ハアァァ…」
「もしかしてお前も菜々子ちゃんの事を?」
「・・・・」「そうなの!? だってお前ただの幼馴染みって…だったら言ってくれよぉ」
「言ってたら何なんだよぉ!」
「だから…」「なんてな♪ ただの幼馴染みだよ」
「ホントだな?」「うん。ほら行くぞ」
「ふう…」「お前何やってんだよぉ」
「幼馴染みの匂いを嗅いでんだよ」
「気持ちワリィよ」
「お前も嗅いだクセに♪」
偵察飛行するスカイマスケッティの前にダークサンダーエナジーが無差別に降ってきた。と同時に基地内のスパークドールズがその影響により不安定に陥る。
「ムーの姿は目視できませんが電磁波が!…うわっ! コントロールが」
「ムーだ! エリアT-3にムー出現!」
「スカイマスケッティ、機体が安定しません!」
『着陸ばできるか?』
「ダメです、着陸体勢も取れません!」
「アイツ…何か探してるのか?」
「ン、何だこれ!?」「どうしたの?」
「ガオディクションがおかしくなってる」
「ヤバいよ…このままじゃスパークドールズ達が実体化しちゃう」
電磁波に吊られて落ちて来たダークサンダーエナジーが地中に眠っていたスパークドールズを実体化させる。
「レッドキングです! 埋まっていたスパークドールズが実体化したようです!」
「やっぱり、これが目的だったのか!」
だが当のムーはそのつもりはないらしく、レッドキングを見て驚いている。
「エックス、ユナイトだ!」
「よし、いくぞ!」
『エックス、ユナイテッド』
エックスを見たムーの目がハートマークに変わる。
まるでようやく愛しい人に巡り会えたかのようにエックスに懐くムー。
その光景を呆れるように見つめるレッドキングw
エックスに対するムーの行動を見てワタルは理解した。
「ハハハハハハ…」「何だよこんな時に!」
「ムーは何も企んでないよ。黒幕もいない!」
「じゃあ何なんだよぉ?」
「ムーはエックスに恋をしてるんだ」
「恋!? そんなバカな」
「恋は人を惑わせる…」
《恋は怪獣だって惑わせる…》
「こい、レッドキング! 私が相手だ!」
諦めずに猛アタックをかけるムー。
「エックスに懐いてるみたいだね」
「でも私はこんな奴、見た事もないぞ!(>ロ<;)」
やる気がないならこちらからいくぞと向かって来るレッドキング。
《いやぁー、邪魔しちゃ!》
人の恋路の邪魔をさせまいとレッドキングに突進するムーだがあっさりと跳ね飛ばされてしまう。
やっと開始されるエックスVSレッドキングのバトル。
レッドキングが凶器に使おうとした給水塔をちゃんと元の位置に戻す律儀なエックスw
ウルトラマンネオスでもこんなシーンあったよねw
「どいてろ!」
電磁波の元であるムーを捕まえたせいでレッドキングはダークサンダーエナジーを浴び、EXレッドキングへと変貌してしまう。
「わっ! レッドキングがパワーアップした!(°Д°;)」
「すっげぇ…ムキムキになっちゃってるよ」
その豪腕の衝撃はビルの窓を粉砕した。
EXレッドキングの豪腕がエックスを吹き飛ばし、ムーの電磁波をも無効化する。
「こっちもいくぞ!」
『ウルトラマンエックス、パワーアップ』
「「エクシードエェーックス! エクスラッガー! エクシードエクスラッシュ!」」
「「ザナディウム光線!」」
「大丈夫か?」
ムーのお尻からピンク色のガスが噴出する。
《ああ、やっちゃったぁ》
「うん? あぁ…おおっ? この怪獣は何だ?」
《ヤダヤダ、私を忘れないで》
「見た事もない怪獣だね」
「いつの間に現れたんだ?」
《やーん、また忘れられちゃったぁ》
「エリアT-3に怪獣が現れました! タイプA、未知の怪獣です!」
「それはムーだろ」「ムーって何ですか?」
「アスナ…どうしたの? 大丈夫?」
「分かった! さっきのガスは忘却物質だったんじゃないかな」
《私はムー。私のオナラを浴びると誰でも私の事を、私の存在そのものを忘れてしまうの…》
「この怪獣、物凄い電磁波を発しているぞ!」
「凶暴な奴じゃないみたいだけど、この電磁波はこのままにしておけないよ」
「あっううっ…おい、地球から立ち去ってくれ!」
「あっ! あっ…電磁波が…」
「宇宙へ帰れぇぇっ!!」
「コントロールが戻った! 着陸するぞ!」
「わぁっ♪」菜々子に手を振るワタル。菜々子も手を振るがそれはワタルに向けられたものではなく…。
「ハヤトさん」「大丈夫だった?」
「大丈夫」「あっちへ。ケガ大丈夫?」
「恋は人を惑わせる…」
《恋は怪獣だって惑わせる!》
「戻って来た!」
「悪いがお前がいると迷惑なんだ!」
ハヤトと菜々子の仲睦まじい姿を見てワタルは確信した。もう菜々子には自分の事など眼中にないのだと。
その時、ワタルの頭上に大量の雨が降ってきた。と思ったら、それは再び忘れられたとはいえエックスに拒絶されて悲しむムーの涙だった。
「そうだムー、泣け! その涙で俺の恋を洗い流してくれ」
ムーの涙を浴びたお陰で失われていたエックスの記憶が甦る。
「おい、何をやっている! 大丈夫か?」
かつてエックスはドラゴに虐められていたムーを救っていた。この時からムーはエックスの事を好きになったのだ。
「ああっ、ムー! 思い出したよ。久しぶりだな(°▽°)」
《誰、 このウルトラマン? 馴れ馴れしいんだけど(°△°)ゞ》
だがそれと入れ替わりにムーはエックスの事を忘れてしまっていた。
って、オイオイヾ(-д-;)
「元気だったか?」《ヨイショッ》
「えっ…あぁ」
あれだけエックスの事を引っ掻き回しておいて何事もなかったかのように宇宙へ帰っていくムー。
「ムーの涙はエックスの失った記憶を呼び戻した」
「ムゥー!おい、どうしたんだよぉ!?ヽ(°ロ°;)」
「しかし、その代わりに自分の記憶を失ったのかも知れない。エックスへの恋を失ってムーはもう惑わない…」
結局何だったんだよ?と納得いかないエックスさんでしたw
数日後、喫茶店内ではハヤトのギターの弾き語りで盛り上がっていた。
「アハハハw 誤解すんなよ、ホントはこんな奴じゃないから…」
ハヤトの美声に聞き惚れている菜々子にはワタルのイヤミは届かなかった。
「恋は人を惑わせる。俺ももう惑わない」
菜々子への恋を吹っ切ったワタル。彼にもいつかきっと春が来るだろう。その時を信じて新たな恋を探すワタルであった。
「ああああくぉぉ!…ヨォォシャアッやったるぞぉ!」
「「大地の怪獣ラボ」」
「今回の怪獣はこれだ!」
『キングゲスラ解析中』
「コイツはダークサンダーエナジーがスパークドールズに直撃して、いきなり凶暴な姿で出現したんだ」
「これがキングゲスラのサイバーカードか。新たに身体の刺を発射する能力まで身につけたキングゲスラ。エクシードエックスの力がなければ勝てなかったかも知れないな」
「次回も」「「観てくれよな!」」
「スパークドールズの実体化実験。俺達は遂にゴモラの実体化に成功する。
でもその時、ダークサンダーエナジーが降り注ぎゴモラが凶暴な姿になって暴れ出してしまった。
これを企んだのは人工生命!? 一体お前は何者なんだ!?
次回ウルトラマンX『共に生きる』」
「いらっしゃい」「…おう」
菜々子に惚れているワタルは非番の時は彼女に会う為に必ず通っているのだ。
「はい、水」「コーヒー、ホット」
「マスター、コーヒー1つ」「はい」
「ねえ、好き?」「えっ…?(*°ロ°*)」
「お稲荷さん」「えっ!?(°△°;)」
「ワタル君、小学校の頃好きだったでしょ。まだ好き?」
「おう…」「ウフッ良かったぁ。明日の試合に作ってくからね♪ ワタル君…ありがとね、ここのバイト紹介してくれて」
「おっほほほ…へへへっ」
自分の為にランチを作ってくれる…嬉しくて幸せ気分に浸っているそんな時、彼が現れた。
カランカラン「いらっしゃい」
「おっ、いたいた」「ハァアアア」
「アスナからここにいるって聞いてさ」
突然のハヤトの来訪に二人だけの大切な時間を邪魔されて不機嫌なワタル。
「あれ、新しい子?」
「菜々子、俺の幼馴染み。これハヤトね」
「初めまして。キャアッ!!」
「おおっ、おほほほっ!!」
「ごめんなさい」「菜ー々ー子ぉ」
「すいません」「やるよ」
「洋服濡れなかったですか?」
「ん、大丈夫」
「ほんとにすいません…ごめんなさい」
ハヤトの優しさに菜々子が微かに惹かれていくのをワタルは見逃さなかった。
そしてラグビーの試合当日。菜々子の前で自分のカッコいい姿を見せつけようと張り切るワタル。
「頑張ってー」
見事なプレーを披露するワタルだが。
「イエーイッ!」
俺の活躍見てくれた?と菜々子にアピールするもまたしてもハヤトに邪魔されてしまう。
多分菜々子さんが誘ったんですねw
「何だよぉ…チッ」
トライを決めても試合そっちのけでにハヤトにワタルの為に作った(筈の)お稲荷さんを振舞っている始末。
そんな二人のやりとりが面白くないワタル。
「恋は人を惑わせる」
ハヤトと菜々子のイチャつきっぷりが気になって試合に集中できないワタル
「そう、恋は人を惑わせる。ン?」
その時、空から未確認の猫型怪獣が飛来した。
「怪獣だ!」
試合を中断し、逃げ惑う選手達。ワタルは基地に連絡しようとジオデバイザーを取り出すが…。
「あれ、デバイザーが使えない!?」
「すいません。遅れました」
「すいませんデバイザーが…」
「電磁波に邪魔されて予備電源の切り替えにも支障が出てるの」
「タイプA、怪獣の映像出します。Σ(°Д°;)!! すいません」
「もう、電気系統おかしいよぉ…あっ直った。フフ…あ、もうムーちゃんの電磁波ハンパじゃなくって」
「ムーちゃん!?」
「うん。自分で『ムー』って。あっついた!」
「よし、モニターOK」
「はっ、デバイザーも。やったぁ♪」
「うっ!(>д⊙;)」
「エリアT-1です」「ジオマスケッティはまだ使えないのか?」
『すいません まだです!』
「了解。ハヤトはアトス、ワタルはアラミスで出動。ポルトスで出動した大地とアスナに合流、三方から取り囲んで動きを封じるんだ」
「「了解!」」
「おいおいおい、どうしちゃってんだよ全くよぉ! 遅いぞXio来んのよぉ!ヽ(`Д´)」
「あれ?」『ワタル、それは電磁波の影響だ』
ムーは特に何もせず何処かへ去っていった。
「あ? 何だアイツ」
いつものように喫茶店へ向かうワタル。
中を見てみるとなんとハヤトと菜々子が親しげに会話しているという衝撃な光景を目の当たりにする。
ワタルに気づき手を振る菜々子。
あまりのショックで意味不明なパフォーマンスを披露するワタル。
「何だアイツ?」「あんな人だったっけ? ワタル君」
「ぐぅうううぅぅ」
「ムーちゃんの来た目的が分かっちゃったかも」
「この間のデータを見たんですけど、ムーちゃんがいる時ダークサンダーエナジーの発生が2.16倍増えてるんスよ」
「ムーがダークサンダーエナジーを操ったって事?」
「ムーちゃん!」「ムーにそんな力があるの?」
「ムーちゃん…」「操ってっていうより引き寄せちゃってる可能性っスかね。強烈っスよ、ムーちゃんの発してる電磁波」
「その力を利用してスパークドールズを実体化しようと企んでいる黒幕がいるのかも知れないな」
「そろそろ作戦会議は終了したらどうだ? 電磁波が増え始めているぞ」
「またムーが来るのか!?」
「「「「ムーちゃん!」」」」
「ムーちゃん…」
「ワタル、ハヤト、スカイマスケッティで偵察! 大地とアスナは警戒体制を強化させろ!」
「「「「了解!…」」」」
「何だよそれ?」「菜々子ちゃんがくれたんだ」
「えっ、いつぅ!?Σ(°Д°;) いつの間にそんな仲になってんだよぉ」
「この間」「ハアァァ…」
「もしかしてお前も菜々子ちゃんの事を?」
「・・・・」「そうなの!? だってお前ただの幼馴染みって…だったら言ってくれよぉ」
「言ってたら何なんだよぉ!」
「だから…」「なんてな♪ ただの幼馴染みだよ」
「ホントだな?」「うん。ほら行くぞ」
「ふう…」「お前何やってんだよぉ」
「幼馴染みの匂いを嗅いでんだよ」
「気持ちワリィよ」
「お前も嗅いだクセに♪」
偵察飛行するスカイマスケッティの前にダークサンダーエナジーが無差別に降ってきた。と同時に基地内のスパークドールズがその影響により不安定に陥る。
「ムーの姿は目視できませんが電磁波が!…うわっ! コントロールが」
「ムーだ! エリアT-3にムー出現!」
「スカイマスケッティ、機体が安定しません!」
『着陸ばできるか?』
「ダメです、着陸体勢も取れません!」
「アイツ…何か探してるのか?」
「ン、何だこれ!?」「どうしたの?」
「ガオディクションがおかしくなってる」
「ヤバいよ…このままじゃスパークドールズ達が実体化しちゃう」
電磁波に吊られて落ちて来たダークサンダーエナジーが地中に眠っていたスパークドールズを実体化させる。
「レッドキングです! 埋まっていたスパークドールズが実体化したようです!」
「やっぱり、これが目的だったのか!」
だが当のムーはそのつもりはないらしく、レッドキングを見て驚いている。
「エックス、ユナイトだ!」
「よし、いくぞ!」
『エックス、ユナイテッド』
エックスを見たムーの目がハートマークに変わる。
まるでようやく愛しい人に巡り会えたかのようにエックスに懐くムー。
その光景を呆れるように見つめるレッドキングw
エックスに対するムーの行動を見てワタルは理解した。
「ハハハハハハ…」「何だよこんな時に!」
「ムーは何も企んでないよ。黒幕もいない!」
「じゃあ何なんだよぉ?」
「ムーはエックスに恋をしてるんだ」
「恋!? そんなバカな」
「恋は人を惑わせる…」
《恋は怪獣だって惑わせる…》
「こい、レッドキング! 私が相手だ!」
諦めずに猛アタックをかけるムー。
「エックスに懐いてるみたいだね」
「でも私はこんな奴、見た事もないぞ!(>ロ<;)」
やる気がないならこちらからいくぞと向かって来るレッドキング。
《いやぁー、邪魔しちゃ!》
人の恋路の邪魔をさせまいとレッドキングに突進するムーだがあっさりと跳ね飛ばされてしまう。
やっと開始されるエックスVSレッドキングのバトル。
レッドキングが凶器に使おうとした給水塔をちゃんと元の位置に戻す律儀なエックスw
ウルトラマンネオスでもこんなシーンあったよねw
「どいてろ!」
電磁波の元であるムーを捕まえたせいでレッドキングはダークサンダーエナジーを浴び、EXレッドキングへと変貌してしまう。
「わっ! レッドキングがパワーアップした!(°Д°;)」
「すっげぇ…ムキムキになっちゃってるよ」
その豪腕の衝撃はビルの窓を粉砕した。
EXレッドキングの豪腕がエックスを吹き飛ばし、ムーの電磁波をも無効化する。
「こっちもいくぞ!」
『ウルトラマンエックス、パワーアップ』
「「エクシードエェーックス! エクスラッガー! エクシードエクスラッシュ!」」
「「ザナディウム光線!」」
「大丈夫か?」
ムーのお尻からピンク色のガスが噴出する。
《ああ、やっちゃったぁ》
「うん? あぁ…おおっ? この怪獣は何だ?」
《ヤダヤダ、私を忘れないで》
「見た事もない怪獣だね」
「いつの間に現れたんだ?」
《やーん、また忘れられちゃったぁ》
「エリアT-3に怪獣が現れました! タイプA、未知の怪獣です!」
「それはムーだろ」「ムーって何ですか?」
「アスナ…どうしたの? 大丈夫?」
「分かった! さっきのガスは忘却物質だったんじゃないかな」
《私はムー。私のオナラを浴びると誰でも私の事を、私の存在そのものを忘れてしまうの…》
「この怪獣、物凄い電磁波を発しているぞ!」
「凶暴な奴じゃないみたいだけど、この電磁波はこのままにしておけないよ」
「あっううっ…おい、地球から立ち去ってくれ!」
「あっ! あっ…電磁波が…」
「宇宙へ帰れぇぇっ!!」
「コントロールが戻った! 着陸するぞ!」
「わぁっ♪」菜々子に手を振るワタル。菜々子も手を振るがそれはワタルに向けられたものではなく…。
「ハヤトさん」「大丈夫だった?」
「大丈夫」「あっちへ。ケガ大丈夫?」
「恋は人を惑わせる…」
《恋は怪獣だって惑わせる!》
「戻って来た!」
「悪いがお前がいると迷惑なんだ!」
ハヤトと菜々子の仲睦まじい姿を見てワタルは確信した。もう菜々子には自分の事など眼中にないのだと。
その時、ワタルの頭上に大量の雨が降ってきた。と思ったら、それは再び忘れられたとはいえエックスに拒絶されて悲しむムーの涙だった。
「そうだムー、泣け! その涙で俺の恋を洗い流してくれ」
ムーの涙を浴びたお陰で失われていたエックスの記憶が甦る。
「おい、何をやっている! 大丈夫か?」
かつてエックスはドラゴに虐められていたムーを救っていた。この時からムーはエックスの事を好きになったのだ。
「ああっ、ムー! 思い出したよ。久しぶりだな(°▽°)」
《誰、 このウルトラマン? 馴れ馴れしいんだけど(°△°)ゞ》
だがそれと入れ替わりにムーはエックスの事を忘れてしまっていた。
って、オイオイヾ(-д-;)
「元気だったか?」《ヨイショッ》
「えっ…あぁ」
あれだけエックスの事を引っ掻き回しておいて何事もなかったかのように宇宙へ帰っていくムー。
「ムーの涙はエックスの失った記憶を呼び戻した」
「ムゥー!おい、どうしたんだよぉ!?ヽ(°ロ°;)」
「しかし、その代わりに自分の記憶を失ったのかも知れない。エックスへの恋を失ってムーはもう惑わない…」
結局何だったんだよ?と納得いかないエックスさんでしたw
数日後、喫茶店内ではハヤトのギターの弾き語りで盛り上がっていた。
「アハハハw 誤解すんなよ、ホントはこんな奴じゃないから…」
ハヤトの美声に聞き惚れている菜々子にはワタルのイヤミは届かなかった。
「恋は人を惑わせる。俺ももう惑わない」
菜々子への恋を吹っ切ったワタル。彼にもいつかきっと春が来るだろう。その時を信じて新たな恋を探すワタルであった。
「ああああくぉぉ!…ヨォォシャアッやったるぞぉ!」
「「大地の怪獣ラボ」」
「今回の怪獣はこれだ!」
『キングゲスラ解析中』
「コイツはダークサンダーエナジーがスパークドールズに直撃して、いきなり凶暴な姿で出現したんだ」
「これがキングゲスラのサイバーカードか。新たに身体の刺を発射する能力まで身につけたキングゲスラ。エクシードエックスの力がなければ勝てなかったかも知れないな」
「次回も」「「観てくれよな!」」
「スパークドールズの実体化実験。俺達は遂にゴモラの実体化に成功する。
でもその時、ダークサンダーエナジーが降り注ぎゴモラが凶暴な姿になって暴れ出してしまった。
これを企んだのは人工生命!? 一体お前は何者なんだ!?
次回ウルトラマンX『共に生きる』」