「あ~あ、データの整理 超大変(´△`)」
「まぁまぁ。こうやって怪獣や宇宙人を記録しておけば、次に同じ種族が現れた時に役立てるからね」
「大地、この宇宙人の項目なんスけど友好的な宇宙人とそうじゃない宇宙人をカテゴリー分けするってのはどうかな?」
「あぁ確かに。ゴールド星人のテルリンとか、チーム星雲の3人とか優しい宇宙人もいたもんね」
「だが、それを見極めるのは時に難しい場合もあるぞ」
「当麻博士に化けたスラン星人のようにですか?」
「うん。初めは友好的に見せておいて後から本性を現すような事もある。儂の知る限りではかつてザラブ星人も同じような作戦をとったらしい。その時はなんとウルトラマンの偽物まで現れたそうだ」
「「「にせウルトラマン!?(;°Д°)」」」
「突然東京の街を地獄と化した恐ろしい霧。この異変は直ちに科学センターに報告され森田博士のグループが調査に乗りだした。そして我が科学特捜隊本部では…」
「町が今大変らしい。アラシとイデは市内のパトロール」
「「はい!」」
「ハヤタは東京上空の一帯の調査を頼む」
「はい!」
パトロールに出動したアラシとイデは黒マントの怪しい人物を発見する。
イデが呼び止めるとそいつは人間ではなかった。
「おい、どうしたんだ!?」
「ううう宇宙人…いや、怪獣だ!」
「よし、追ってみよう。挟み打ちにするんだ」
「よしっ!」
二人で挟み打ちに追い込むが、怪人は脱出して壁に貼り付いていた。
逃げようとする怪人をスパイダーで攻撃するアラシ。
「はい、こちら本部」
『こちらアラシ。五番街付近で宇宙人らしき怪人を発見。スパイダーを発射した所、消滅しました』
「消えた!? アラシ何故撃ったんだ!」
「いや、あの…」「「うっ! ぐあ…あっ」」
『その男を責めるな。私が悪かったのだ』
「誰だ、君は誰だ!?」
『キャップ、アラシですよ』
「アラシ、君には今の声が聞こえなかったのか!? 今の声が!」
『いいえ、ただ不快な音がしただけです』
「あっ!」「誰だ!?」
『アハッそんな怖い顔で私を見ないで欲しい。ご推察の通り私は宇宙人だ』
「宇宙人!?」『左様。第8銀河系の中にあるザラブ星人だ』
「ザラブ?」『うん。我々の言葉で兄弟という意味だ。仲良く平和に暮らしていく事が我々のモットーだ。だから地球の諸君とも兄弟同士という訳だ。最も私の方が兄で君達はまだ幼い弟だがね』
「何故我々と話ができるんだ!?」
『ああ失敬。私の意思を君達のその電子頭脳に送っているんだ。そうしなければ君達と話し合えない』
「地球に来た目的は!?」
『今に分かる』
「キャップ、こいつだよ!きっとこいつが霧を降らしたんだ!」
『地球は我々の兄弟だと言った筈だ。兄弟がそんな酷い事をすると思うかね。ハハハハハ…』
「「「「あっ!」」」」
「ハヤタより本部へ。ハヤタより本部へ」
「どうした?」
『土星探検ロケットらしい物を発見』
「土星ロケット!?」「ハヤタ君、何かの間違いじゃないのか! ひと月前に出発したロケットがどうして地球の近くに!?」
「ハヤタ、接近してもう一度確かめてみろ」
『了解。接近します』
「いやぁ酷い霧だ 本当まるで戦場ですよ」
「我々には手のつけようがありませんよ」
「熱いコーヒーを頼む」「はい」
「はいこちら本部」『キャップ、土星ロケットを呼び出してますが応答がありません』
「そうか。さっきレーダーサイドの森田博士からの連絡では基地からの遠隔操縦が反応を示さないらしい。よし、このまま追跡を続けろ」
『了解』
「キャップ、どうして今頃土星ロケットが? しかも何故搭乗員が連絡を取らないんです?」
『私が地球まで誘導してきたのだ。いやぁ諸君、我々の兄弟』
「あっ!」「「あっ!」」
「やめろ! 君に尋ねたい。土星ロケットを誘導してきた理由は?」
『兄弟が道端で倒れてるのを見て、知らんぷりができるかね。うーん軌道をどう間違えたのか木星の周りを回っていたんだ。もし私が発見しなかったらロケットは危うく宇宙の藻屑と消えるところさ』
「こいつぅ、嘘っぱちを並べやがって! お前が邪魔したんだろ!」
『ハハハハハハ私が信用できないらしいな。どうやれば信用してもらえるのだね? 兄弟』
「君はさっき我々をまだ幼い弟だと言ったな。 という事は君達は我々より全ての点で優れているという意味なのか?」
『その通りだ』「では、我々が今苦しめてるこの霧が消せるか?」
『ん。それができたら信用してもらえるかね?』
「うん。信用しよう」
ムラマツに言われた通り、ザラブ星人は街に蔓延する霧を晴らして見せた。ザラブ星人の力で空へ上昇した霧は土星ロケットを包み込むように隠してしまう。
「ハヤタより本部へ。霧の為、ロケットを見失った。燃料が足りないので一先帰還する」
「ザラブ星人は科学特捜隊のお客として一室を与えられた」
部屋を案内したイデを催眠術で操り、手駒にするザラブ星人。
「以上のような訳で昨夜から科学特捜隊で保護しています」
「大丈夫かねぇ、君」
「我々より進んだ文明を持った宇宙人であるというのは確かかね?」
「昔から文明の進んだ種族の方が行動範囲も広いものです。我々はまだ土星にも行き着けませんが、彼は他の銀河系からやった来たんです。当然それだけの進んだ科学を持っているものと思われます」
フジ隊員に化け、本部に待機中のアラシを眠らせたザラブ星人は洗脳したイデの通信バッチを通して会議の内容を盗聴していた。
「イデ、無線のアンテナを締まっとけ」
「ムラマツ君、ザラブ星人が日本にいる事をできるだけ隠しておきたい。世界中で彼を欲しがる事だろう」
「はっ。しかし…」
「しかし彼がもし進んだ知識を持っているとすれば地球全体の進歩に役立てるべきではないでしょうか」
「ああぁ」「イデ、これは秘密会議なんだ。間違って伝われば世界が騒ぎ出す。それが分かってるならおかしいぞ、今日のお前は」
ハヤタの怪しんだ通り、催眠状態に陥っていたイデは電気ショックによる治療を受ける。
ムラマツ達が本部に戻ると宇宙局員がザラブ星人の引渡しを訴えてきた。
「しかしねぇ、キャップが帰って来ないと我々の一存では引き渡せないんですよ」
「いや、しかし会議の席では我々の方へ引き取ってもいいと結論が出たんだ」
「それは話が違う! 私は反対した筈だ。理由は宇宙局のような科学の中心グループのいる所に彼を送って学者グループの身に万一の事があったらという心配、第二に彼はこの電子頭脳を使わなければ我々と話ができない」
「宇宙局にも電子頭脳はありますよ」
「しかし、宇宙語を地球語に翻訳できる装置が付いた電子頭脳はこれだけだ」
「はっ! はあっ!!」「どうした!?」
「落ち着け! 電源を切るんだ!」
「はい!」「私は宇宙局へ行く」
「電子頭脳が無くても話す事ができるのか!?」
「私は携帯用電子頭脳を作った。小型だがあれより出力も大きい原子発電機がついている。君達のラジオを送電線の下へ持っていくと聞こえなくなったり雑音が入る。それと同じ現象が起こったのだ。行こう、宇宙局へ」
「恐るべき奴だ。あの力がいい方に向いてくれればいいんだが…」
「ちょっと気になるな。キャップ、私に彼を調べさせてください」
ザラブ星人の行動に疑問を感じる科特隊はアラシとフジをザラブ星人の元に張り込ませた。
「まだ何事も起こらない。あっ、現れた! 空へ飛び上がったぞ!」
「了解。出動する」
ジェットビートルで後を追ったハヤタはザラブ星人が土星ロケットのクルー達に催眠術をかけ、意のままに操っている光景を目にする。
「これがあいつの正体なんだ。ほっとけばやがて地球もこうなる」
地球に帰還しようとすると途中でビートルのエンジンが止まってしまう。
「ン?あれ? あっ!!」
「ハヤタ君、好奇心は身を滅ぼす。君は多くの事を知りすぎたようだ」
「現れたな、ザラブ星人! 君は土星ロケットの乗組員と同じようにこの地球を支配する気だな!」
「その通りだ。私の狙った星は皆互いに戦い、滅んでいった」
「えっ、どうしてそんな酷い事を!?」
「私はそうする為に生まれてきた。そうする事が私の仕事なのだ。ただ地球には科学特捜隊とウルトラマンがいる。この2つを無くしてしまわないと私の思う通り地球を支配できない」
「そうはさせんぞ! キャップ! キャップ!?」
「ハッハッハ無線は使えないよ」
「チィッ、くそ!」
「君は私の物だ。ウルトラマン」
「えぇっ!?」「眠ってもらおうかウルトラマン」
「キャップ、ビートルが墜落しました!」
「何っ!? 救助に行けアラシ!」
「はい!」
「えっ、ウルトラマンが現れた? 町を破壊してる!? そんな馬鹿な…」
「ウルトラマンが現れたって!? 事件ですかキャップ!」
「イデ隊員、ホントに治ったの? まだおかしいんじゃない?大変なのよ今」
「先生がもう帰ってもいいって言ったんだぁ」
その間にこっそり抜け出す星野少年。
「ウルトラマンが消えました!」
「えっ、消えた!?」
「皆さん、ウルトラマンが暴れてるそうですね。いつも怪獣が現れれば真っ先に出動する科学特捜隊が出動しないのは何故でしょう? ウルトラマンこそ地球征服を狙う宇宙人ではないでしょうか!
そして科学特捜隊もウルトラマンを応援しているのではないか!」
「そんな馬鹿な! 私は彼らの親友だ。科学特捜隊は地球の正義と平和を守る我らのヒーローなんだ。そんな事をする訳がない!」
「ナァハッハッハッハッハッハッ…今度ウルトラマンが現れたら科学特捜隊に出動命令を出してみる事ですな。そうすれば分かります。
ウルトラマン、君がウルトラマンになるにはベータカプセルがいる。どこへ隠した? ン、ない!? 君はベータカプセルを持っていない! 何処へやったんだ!?」
「うっ!う…(>△<;)」
「暴れれば暴れる程そのベルトは強く締まり、終には身体を切ってしまうよ」
「えっ!?」「フン、とにかく君は今ウルトラマンになれない。それだけは分かった。もう君に用はない。地球は私が戴く」
「くそぉ」「あっハヤタさん!」
「おおっ(°▽°)」「ハヤタさん!」
「星野君!」「ハヤタさん、ウルトラマンが悪い事をしているんだ。どうしよう!」
「ウルトラマンが!? あっぐぅ(;>д°) 早くこれを切るんだ!」
「はい!」
「あれ!? 星野君、君がこれを」
「ああ、ハヤタさんが忘れてったから持って来てあげたんだよ」
「そうだったのか。ありがとう」
って、忘れてんじゃねーよΣヽ(^`□´^;)
このうっかりが後のあのスプーンに繋がる訳ですねw
「ウルトラマンがまた現れた!? 宇宙局の傍!? 分かりました」
「キャップ、どうするんですか!?」
「キャップ!」「例えウルトラマンでもこの地球上で暴力を奮う者とは戦わねばならん!」
「まだか星野君!」「ダメだよ、どうしても切れないよ …ダメだよ…ダメだ」
その時、星野少年の流した涙がハヤタを縛るベルトを溶かした。
「星野君、ここにいては危ない。早く逃げろ!」
「でもハヤタさん…」「星野君、いい子だから言う事を聞くんだ。君の事を心配してたら僕は戦えない」
「分かりました。ハヤタさん頑張ってね」
「よし。早く行くんだ」「はい」
「あっ星野君が!」「はっ」「おぉ」
ロープで下に降りる所をにせウルトラマンに捕まってしまう星野少年。
「ウルトラマァーン! やめてぇーウルトラマァーン!!」
ハヤタはウルトラマンに変身、星野少年を救う。
にせウルトラマンの頭部にチョップした時、痛がってる素振りをしてましたが、あれ演技じゃなくてマジで痛がってたそうで
飛んで逃げようとするにせウルトラマンにスペシウム光線を浴びせるとザラブ星人の姿をさらけ出した。
「やっぱり奴の仕業だったのか」
「思った通りだ」
格闘戦に弱いザラブ星人は空中戦に持ち込むがウルトラマンには効果はなかった。
最後はスペシウム光線で倒されるザラブ星人。こうしてザラブ星人の企みは潰えた。
「やっぱりウルトラマンは正義の味方だったんだ♪」
「ウルトラマンに化けるとは…ザラブ星人、悪賢い奴っスねぇ」
「うぅん」「偽物さんを見分けるポイントはぁ…目つきの悪さと身体の黒い線だね」
「これでもしザラブ星人がエックスに化けても大丈夫ッスね」
「間違って攻撃しないでよ。頼むから」
「「「ガッテンテン!」」」
いつの間にかガッテンテン流行ってるw
「町を砂で飲み込む磁力怪獣アントラーが出現。ウルトラマンマックスの光線をかき消してしまう恐ろしい強敵。
古代都市バラージの秘宝が逆転の鍵になる!
次回新ウルトラマン列伝『バラージの預言 アントラー復活!』」
「まぁまぁ。こうやって怪獣や宇宙人を記録しておけば、次に同じ種族が現れた時に役立てるからね」
「大地、この宇宙人の項目なんスけど友好的な宇宙人とそうじゃない宇宙人をカテゴリー分けするってのはどうかな?」
「あぁ確かに。ゴールド星人のテルリンとか、チーム星雲の3人とか優しい宇宙人もいたもんね」
「だが、それを見極めるのは時に難しい場合もあるぞ」
「当麻博士に化けたスラン星人のようにですか?」
「うん。初めは友好的に見せておいて後から本性を現すような事もある。儂の知る限りではかつてザラブ星人も同じような作戦をとったらしい。その時はなんとウルトラマンの偽物まで現れたそうだ」
「「「にせウルトラマン!?(;°Д°)」」」
「突然東京の街を地獄と化した恐ろしい霧。この異変は直ちに科学センターに報告され森田博士のグループが調査に乗りだした。そして我が科学特捜隊本部では…」
「町が今大変らしい。アラシとイデは市内のパトロール」
「「はい!」」
「ハヤタは東京上空の一帯の調査を頼む」
「はい!」
パトロールに出動したアラシとイデは黒マントの怪しい人物を発見する。
イデが呼び止めるとそいつは人間ではなかった。
「おい、どうしたんだ!?」
「ううう宇宙人…いや、怪獣だ!」
「よし、追ってみよう。挟み打ちにするんだ」
「よしっ!」
二人で挟み打ちに追い込むが、怪人は脱出して壁に貼り付いていた。
逃げようとする怪人をスパイダーで攻撃するアラシ。
「はい、こちら本部」
『こちらアラシ。五番街付近で宇宙人らしき怪人を発見。スパイダーを発射した所、消滅しました』
「消えた!? アラシ何故撃ったんだ!」
「いや、あの…」「「うっ! ぐあ…あっ」」
『その男を責めるな。私が悪かったのだ』
「誰だ、君は誰だ!?」
『キャップ、アラシですよ』
「アラシ、君には今の声が聞こえなかったのか!? 今の声が!」
『いいえ、ただ不快な音がしただけです』
「あっ!」「誰だ!?」
『アハッそんな怖い顔で私を見ないで欲しい。ご推察の通り私は宇宙人だ』
「宇宙人!?」『左様。第8銀河系の中にあるザラブ星人だ』
「ザラブ?」『うん。我々の言葉で兄弟という意味だ。仲良く平和に暮らしていく事が我々のモットーだ。だから地球の諸君とも兄弟同士という訳だ。最も私の方が兄で君達はまだ幼い弟だがね』
「何故我々と話ができるんだ!?」
『ああ失敬。私の意思を君達のその電子頭脳に送っているんだ。そうしなければ君達と話し合えない』
「地球に来た目的は!?」
『今に分かる』
「キャップ、こいつだよ!きっとこいつが霧を降らしたんだ!」
『地球は我々の兄弟だと言った筈だ。兄弟がそんな酷い事をすると思うかね。ハハハハハ…』
「「「「あっ!」」」」
「ハヤタより本部へ。ハヤタより本部へ」
「どうした?」
『土星探検ロケットらしい物を発見』
「土星ロケット!?」「ハヤタ君、何かの間違いじゃないのか! ひと月前に出発したロケットがどうして地球の近くに!?」
「ハヤタ、接近してもう一度確かめてみろ」
『了解。接近します』
「いやぁ酷い霧だ 本当まるで戦場ですよ」
「我々には手のつけようがありませんよ」
「熱いコーヒーを頼む」「はい」
「はいこちら本部」『キャップ、土星ロケットを呼び出してますが応答がありません』
「そうか。さっきレーダーサイドの森田博士からの連絡では基地からの遠隔操縦が反応を示さないらしい。よし、このまま追跡を続けろ」
『了解』
「キャップ、どうして今頃土星ロケットが? しかも何故搭乗員が連絡を取らないんです?」
『私が地球まで誘導してきたのだ。いやぁ諸君、我々の兄弟』
「あっ!」「「あっ!」」
「やめろ! 君に尋ねたい。土星ロケットを誘導してきた理由は?」
『兄弟が道端で倒れてるのを見て、知らんぷりができるかね。うーん軌道をどう間違えたのか木星の周りを回っていたんだ。もし私が発見しなかったらロケットは危うく宇宙の藻屑と消えるところさ』
「こいつぅ、嘘っぱちを並べやがって! お前が邪魔したんだろ!」
『ハハハハハハ私が信用できないらしいな。どうやれば信用してもらえるのだね? 兄弟』
「君はさっき我々をまだ幼い弟だと言ったな。 という事は君達は我々より全ての点で優れているという意味なのか?」
『その通りだ』「では、我々が今苦しめてるこの霧が消せるか?」
『ん。それができたら信用してもらえるかね?』
「うん。信用しよう」
ムラマツに言われた通り、ザラブ星人は街に蔓延する霧を晴らして見せた。ザラブ星人の力で空へ上昇した霧は土星ロケットを包み込むように隠してしまう。
「ハヤタより本部へ。霧の為、ロケットを見失った。燃料が足りないので一先帰還する」
「ザラブ星人は科学特捜隊のお客として一室を与えられた」
部屋を案内したイデを催眠術で操り、手駒にするザラブ星人。
「以上のような訳で昨夜から科学特捜隊で保護しています」
「大丈夫かねぇ、君」
「我々より進んだ文明を持った宇宙人であるというのは確かかね?」
「昔から文明の進んだ種族の方が行動範囲も広いものです。我々はまだ土星にも行き着けませんが、彼は他の銀河系からやった来たんです。当然それだけの進んだ科学を持っているものと思われます」
フジ隊員に化け、本部に待機中のアラシを眠らせたザラブ星人は洗脳したイデの通信バッチを通して会議の内容を盗聴していた。
「イデ、無線のアンテナを締まっとけ」
「ムラマツ君、ザラブ星人が日本にいる事をできるだけ隠しておきたい。世界中で彼を欲しがる事だろう」
「はっ。しかし…」
「しかし彼がもし進んだ知識を持っているとすれば地球全体の進歩に役立てるべきではないでしょうか」
「ああぁ」「イデ、これは秘密会議なんだ。間違って伝われば世界が騒ぎ出す。それが分かってるならおかしいぞ、今日のお前は」
ハヤタの怪しんだ通り、催眠状態に陥っていたイデは電気ショックによる治療を受ける。
ムラマツ達が本部に戻ると宇宙局員がザラブ星人の引渡しを訴えてきた。
「しかしねぇ、キャップが帰って来ないと我々の一存では引き渡せないんですよ」
「いや、しかし会議の席では我々の方へ引き取ってもいいと結論が出たんだ」
「それは話が違う! 私は反対した筈だ。理由は宇宙局のような科学の中心グループのいる所に彼を送って学者グループの身に万一の事があったらという心配、第二に彼はこの電子頭脳を使わなければ我々と話ができない」
「宇宙局にも電子頭脳はありますよ」
「しかし、宇宙語を地球語に翻訳できる装置が付いた電子頭脳はこれだけだ」
「はっ! はあっ!!」「どうした!?」
「落ち着け! 電源を切るんだ!」
「はい!」「私は宇宙局へ行く」
「電子頭脳が無くても話す事ができるのか!?」
「私は携帯用電子頭脳を作った。小型だがあれより出力も大きい原子発電機がついている。君達のラジオを送電線の下へ持っていくと聞こえなくなったり雑音が入る。それと同じ現象が起こったのだ。行こう、宇宙局へ」
「恐るべき奴だ。あの力がいい方に向いてくれればいいんだが…」
「ちょっと気になるな。キャップ、私に彼を調べさせてください」
ザラブ星人の行動に疑問を感じる科特隊はアラシとフジをザラブ星人の元に張り込ませた。
「まだ何事も起こらない。あっ、現れた! 空へ飛び上がったぞ!」
「了解。出動する」
ジェットビートルで後を追ったハヤタはザラブ星人が土星ロケットのクルー達に催眠術をかけ、意のままに操っている光景を目にする。
「これがあいつの正体なんだ。ほっとけばやがて地球もこうなる」
地球に帰還しようとすると途中でビートルのエンジンが止まってしまう。
「ン?あれ? あっ!!」
「ハヤタ君、好奇心は身を滅ぼす。君は多くの事を知りすぎたようだ」
「現れたな、ザラブ星人! 君は土星ロケットの乗組員と同じようにこの地球を支配する気だな!」
「その通りだ。私の狙った星は皆互いに戦い、滅んでいった」
「えっ、どうしてそんな酷い事を!?」
「私はそうする為に生まれてきた。そうする事が私の仕事なのだ。ただ地球には科学特捜隊とウルトラマンがいる。この2つを無くしてしまわないと私の思う通り地球を支配できない」
「そうはさせんぞ! キャップ! キャップ!?」
「ハッハッハ無線は使えないよ」
「チィッ、くそ!」
「君は私の物だ。ウルトラマン」
「えぇっ!?」「眠ってもらおうかウルトラマン」
「キャップ、ビートルが墜落しました!」
「何っ!? 救助に行けアラシ!」
「はい!」
「えっ、ウルトラマンが現れた? 町を破壊してる!? そんな馬鹿な…」
「ウルトラマンが現れたって!? 事件ですかキャップ!」
「イデ隊員、ホントに治ったの? まだおかしいんじゃない?大変なのよ今」
「先生がもう帰ってもいいって言ったんだぁ」
その間にこっそり抜け出す星野少年。
「ウルトラマンが消えました!」
「えっ、消えた!?」
「皆さん、ウルトラマンが暴れてるそうですね。いつも怪獣が現れれば真っ先に出動する科学特捜隊が出動しないのは何故でしょう? ウルトラマンこそ地球征服を狙う宇宙人ではないでしょうか!
そして科学特捜隊もウルトラマンを応援しているのではないか!」
「そんな馬鹿な! 私は彼らの親友だ。科学特捜隊は地球の正義と平和を守る我らのヒーローなんだ。そんな事をする訳がない!」
「ナァハッハッハッハッハッハッ…今度ウルトラマンが現れたら科学特捜隊に出動命令を出してみる事ですな。そうすれば分かります。
ウルトラマン、君がウルトラマンになるにはベータカプセルがいる。どこへ隠した? ン、ない!? 君はベータカプセルを持っていない! 何処へやったんだ!?」
「うっ!う…(>△<;)」
「暴れれば暴れる程そのベルトは強く締まり、終には身体を切ってしまうよ」
「えっ!?」「フン、とにかく君は今ウルトラマンになれない。それだけは分かった。もう君に用はない。地球は私が戴く」
「くそぉ」「あっハヤタさん!」
「おおっ(°▽°)」「ハヤタさん!」
「星野君!」「ハヤタさん、ウルトラマンが悪い事をしているんだ。どうしよう!」
「ウルトラマンが!? あっぐぅ(;>д°) 早くこれを切るんだ!」
「はい!」
「あれ!? 星野君、君がこれを」
「ああ、ハヤタさんが忘れてったから持って来てあげたんだよ」
「そうだったのか。ありがとう」
って、忘れてんじゃねーよΣヽ(^`□´^;)
このうっかりが後のあのスプーンに繋がる訳ですねw
「ウルトラマンがまた現れた!? 宇宙局の傍!? 分かりました」
「キャップ、どうするんですか!?」
「キャップ!」「例えウルトラマンでもこの地球上で暴力を奮う者とは戦わねばならん!」
「まだか星野君!」「ダメだよ、どうしても切れないよ …ダメだよ…ダメだ」
その時、星野少年の流した涙がハヤタを縛るベルトを溶かした。
「星野君、ここにいては危ない。早く逃げろ!」
「でもハヤタさん…」「星野君、いい子だから言う事を聞くんだ。君の事を心配してたら僕は戦えない」
「分かりました。ハヤタさん頑張ってね」
「よし。早く行くんだ」「はい」
「あっ星野君が!」「はっ」「おぉ」
ロープで下に降りる所をにせウルトラマンに捕まってしまう星野少年。
「ウルトラマァーン! やめてぇーウルトラマァーン!!」
ハヤタはウルトラマンに変身、星野少年を救う。
にせウルトラマンの頭部にチョップした時、痛がってる素振りをしてましたが、あれ演技じゃなくてマジで痛がってたそうで
飛んで逃げようとするにせウルトラマンにスペシウム光線を浴びせるとザラブ星人の姿をさらけ出した。
「やっぱり奴の仕業だったのか」
「思った通りだ」
格闘戦に弱いザラブ星人は空中戦に持ち込むがウルトラマンには効果はなかった。
最後はスペシウム光線で倒されるザラブ星人。こうしてザラブ星人の企みは潰えた。
「やっぱりウルトラマンは正義の味方だったんだ♪」
「ウルトラマンに化けるとは…ザラブ星人、悪賢い奴っスねぇ」
「うぅん」「偽物さんを見分けるポイントはぁ…目つきの悪さと身体の黒い線だね」
「これでもしザラブ星人がエックスに化けても大丈夫ッスね」
「間違って攻撃しないでよ。頼むから」
「「「ガッテンテン!」」」
いつの間にかガッテンテン流行ってるw
「町を砂で飲み込む磁力怪獣アントラーが出現。ウルトラマンマックスの光線をかき消してしまう恐ろしい強敵。
古代都市バラージの秘宝が逆転の鍵になる!
次回新ウルトラマン列伝『バラージの預言 アントラー復活!』」