どこにでもいる普通のサラリーマン・吉田は目の前に突然横入りしてきた男にはっきりと注意すらできない中途半端な男だった。
そんな彼を見つめる怪しい眼帯の男。
「ちよっと待てムエルテ君。あれが実験体なのか?」
「ワタクシの目に狂いはございません。日々ストレスに晒されている彼のような男こそ、強烈な破壊衝動を秘めているのです」
かつてのバルキー星人やナックル星人グレイのようにエクセラーの命令で負の感情を持つ人間を怪獣にライブさせる作戦を実行中のアクマニア星人ムエルテは吉田にガンQのスパークドールズとチブルスパークを渡し、ライブさせるが・・・。
「ハハハハハハハハ感じるぞぉ凄まじい怨念の力を! さあ巨大化しろガンQ!! ハハハハハハ、ハハハハハハハハハ、ハッハハ・・・あれ?」
何故か等身は変わらずにライブしてしまった吉田=ガンQ。
「えっ?」「しまった! 中途半端な奴は中途半端な大きさにしかならないのか」
「へっ!? え・・・」「実験は失敗だ! スパークドールズを返せぇ!!」
「なな、何の事ですかぁ!?」
「返せと言うんだァ!」「ああ!」
「アクマニア星人ムエルテ様を舐めるなぁ!! デアァァ!」
「オ、オバケェェーー!!Σ(°д°lll/)/」
「待てぇぇ!!」
「助けてくれぇぇ!!怪獣だぁー!UPGを呼んでくれぇぇー!!」
「待てコラァァ!! オイィィィ!」
2大目玉怪獣の追いかけっこに町中はパニックに。
現着するUPGのシュナウザー。
「うっ! チッ不味い」
「UPGの皆さん、助けてくださぁい!」
「撃てぇぇ!!」「ツァッ!ツァツァちょっと何するんですかぁアツッ」
自分が攻撃対象にされて慌てて逃げるガンQ。人間だと訴えても全く解ってもらえない。
「またアイツか」「おう」「今回は小さいな」
アパートに戻っても大家さんにしばかれ、弾みで倒れ込んだ大家さんを心配しても近所の主婦達には・・・
「ええぇぇー!! 大変、大家さんが怪獣に襲われてるゥゥ!Σ(°Д°)」
ようにしか見えなかった。
「どうすればいいんだよォォ」
警戒態勢が敷かれ、思うように行動できないガンQ。そんな時、サトル少年と出会う。
「怪獣なの?」「怪獣じゃないよ、人間だよ」
「本物だ、本物の怪獣だ♪」
「怪獣じゃないっつーの、俺は人間だ!」
「嘘だ、ボク知ってるよガンQでしょ。ちょっと小さいけど」
「そんな見たまんまの名前じゃないよ。ああ ダメだ、力が出ない・・・」
「ガンQ、お腹空いてるの?」
サトルに連れられ夕食を共にするガンQ。
「ところでサトル、家の人は居ないの?」
「母ちゃん、仕事でいつも遅いんだ」
「そっか」「ガンQは何処から来たの? 宇宙? 円盤に乗ってるの?」
「いや、いつも電車」「ボク、いつか宇宙に行きたいんだ。宇宙飛行士になりたい」
こうしてガンQはサトルの母が仕事に出かけている間、サトルの家に匿ってもらう事に。
「フ・・フ・・フ・・これがどれ程の失態か解っているのかムエルテ君! 中途半端な駒にウロウロされては作戦の邪魔になるんだよ、あ”あ”ぁぁ!!」
「解りました今日はもう遅いからよく寝て、明日から捜索の範囲を拡げましょう」
「明日だと!?」「ヒィッ」
「宇宙人に昼も夜もないっ!! 今すぐ探しに行け! この愚か者ォォー!!」
「シィーセニョール!! アクマニア星のプライドに賭けて!」
サトルが友達の誘いを断った理由が自転車に乗れないからだと知ったガンQは自転車の練習のコーチを買って出た。
自転車の練習を通して絆が深まっていくガンQとサトル。時には仕事でいつも帰りが遅いお母さんの為に夜食を作ったりと楽しい日々を過ごしていたが・・・。
「ここにいやがったか、ダメ怪獣!!」
「どうもスイマセン」「この野郎ォォ、お前のせいでこっちは大目玉だよ!!」
「ああっ何て事すんだよ!」「やめろよ!」
「何だコイツ、お前の子供か? オイこっち来い! えい、この野郎!フンッ!」
「痛い! 何すんだよぉ!」「やめろーー!!」
「おや、激しい怒りのエネルギーを感じる」
サトルの自転車を痛めつける事でガンQの怒りを増幅し、巨大化を促そうとするムエルテ。
思惑通りガンQは怒りのエネルギーによって巨大化してしまう。
「おぉらアミーゴォォ!! やればできるじゃないかぁ!! ハハハハハハ」
「サトルを放せぇぇー!!」
「ポイントG-7に巨大怪獣ガンQ出現!」
「ガレット! 至急現地に向かいます」
「やっぱりアイツ巨大化しやがったぁ!!」
「行くわよ!」「「おう!!」」
ムエルテはサトルを人質に巨大化したガンQを街中で暴れさせようと画策する。
避難誘導はゴウキとアリサに任せ、ギンガにライブするヒカル。
「あっウルトラマン。助けてくださぁい! 宇宙の怪物がぁ!」
「ギンガハイパーチョォップ!!」
「イッタァ! 何するんですかぁ?」
「ギンガハイパーパァンチ!!」
「違うんです、話を聞いてくださぁい」
「えぇーい何やってる!? 戦えガンQ!! イッタ! イッテ・・・大人しくしろって!!」
「助けてガンQー!!」「お前が黒幕か?」
「よく見破った。セニョール! ギンガ! フハハハハハハ、ダァハハハハハハ! 我こそはアクマニア星人ムエルテ! 宇宙最強・・・アヂィィ!! イッテェ 誰だァァ!?
ブエェェよくもやったなウルトラマンビクトリー! 俺様の真の力を見せてやる! アクマニア念力!!」
「うわっ、身体が!?」
ムエルテのアクマニア念力によりガンQは容赦なくギンガとビクトリーを攻撃する。
「ムッハハハハ! ガンQ、もっともっとブチのめせぇぇ!!」
「ガンQー!! 何してんだよ、やめろよ!」
「もうダメだ・・・身体の自由がきかない。俺はダメ人間でダメ怪獣だ・・・いいように使われる運命なんだ」
「ガンQはダメ怪獣じゃない!!」「えっ!?」
「ガンQは全然ダメ怪獣じゃないよ!!」
「サトル・・・」「一生懸命ボクに自転車教えてくれたじゃんか!! ガンQ、母ちゃんに料理作ってくれたじゃんか・・・ボク、ガンQと遊ぶのスゴい楽しかったんだよ!!」
「自転車、乗れたな・・・サトル」
「あ・・・ホントだ」
「あぁぁああもうお前らゴチャゴチャうるせえんだよォォ!! ハアァァ! 目から怪光線!!」
サトルを庇い、ムエルテの怪光線を吸収して跳ね返すガンQ。
「目が・・・目がァァ!!」
「身体が・・・動く! ウオオオオオーー!!」
勇敢にムエルテに向かっていくガンQ。ここには弱気でいいように使われていた頃の吉田はもういない。
「よし、今だ!!」「力を貸してくれシェパードン! これで決める!!」
「アディオォス、アミーゴォォォ!!」
M87光線とシェパードンセイバーのコンボでムエルテを倒すギンガストリウムとビクトリー。
「ウルトラマン、ガンQはいい奴なんだよ! やっつけないでくれよぉぉ!」
ギンガコンフォートでガンQを元の人間に戻すギンガストリウム。
「あぁああ(°Д°)」「サトル・・・ありがとう。またいつか遊ぼうな」
「ガンQゥゥウウーー!!」
ガンQの流した涙はスパークドールズへと変化した。
普段の日常に戻った吉田。いつものようにラーメン屋で並んでいると友達と一緒に自転車を走らせるサトルの姿があった。そのカゴにはガンQのスパークドールズが飾ってあった。
サトルから立ち向かう勇気をもらった吉田は横入りしてきた男に真っ先に注意するのだった。
「ちゃんと並んだら?」
「夢を叶え、アイドルになった千草。で、それはいいんだけど何だかトンデモないファンまでついちまったようだぜ
次回ウルトラマンギンガS『君に会うために』
千草のステージの邪魔はさせないぜ!」